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■第一段階5時限目
順調にいけば、第一段階はこの5時限目で終了のはずだ。ここでいきなり難しいことをやって落とされるのではないかと、小心なわたしはビクビクしていた。
担当になった教官は、一番最初に当たった男性だった。どちらかと言えば寡黙だが、面倒見のよいタイプと見た。2度目ということでなんとなく打ち解けて、「なんで牽引を?」と訊いてきた。「キャンピングトレーラーを牽くため」と答えると、なにで牽いているのか訊いてくる。「ハマー」と言うと、昨日の若者と同じ反応が返ってきた。
「ハマー!? ぼくが一番欲しい車がハマーなんですよ。玄関に張り出してあるプロフィールにも、ハマー欲しいって書いてある」だって。男の人ってクルマが好きなんだなぁ。
で、この教官、がぜん教官魂が燃えだしたのか、これまで順調にいっていた方向変換をかえって小難しくしくする技を指導してくれちゃったりした。「動きながらバックしていく」方法をやらせようとしたのである。
クルマを停めた状態でハンドルを回すことを「据え切り」といい、タイヤに負担をかける。バックしながら自然に入れていくのがプロの技なのさ!
という感じだろうか。
今までポイント、ポイントできっちり停まりながらきっちり教えられたとおりにハンドルを回していたので、動きながらの操作は誤差が多い。結果うまく入らず、指導されながらまっすぐに立て直したりしたのだった。
こんなんで落ちたらどうすんだよ〜と思ったが、これはどうやらオマケだったらしい。別に「据え切り」でOKなところを、一ランク上のことを教えてくれたようなのだ。ハマーでキャンピングトレーラーを牽いていると聞いて、彼のなにかが燃えだしたのかもしれない。
で、第一段階の「見きわめ」に合格、めでたく第二段階へ進んだのだった。
■第二段階1時限目
同じ日に第二段階の一回目を受けた。前の時間が終わるとき、教官が「今日もう一時間乗るの?
たぶん僕になるだろうね」と言っていたのだが、やはり同じ教官にあたった。
で、第二段階では左方向転換というのをやる。これはバックしていって、左側にお尻を入れて方向転換、つまり車庫入れするというものである。
右方向転換の場合、目印となる左後輪が窓から見え、比較的距離感も掴みやすい。が、左方向転換となると、そうもいかない。運転席の後ろの窓から左の肩越しに後輪を見たり、左ミラーを見ながらバックしていくのだが、やや距離があるため道路の角との距離がうまく見切れない。こすってしまったり、離れすぎてしまったり。
また、右方向転換と逆の操作をすればいいとはいえ、「左に半回転切り、次に右に3回転半、そのあと右に全部回す」と覚えていたものを反対に変換し直すのは至難の業だった。
つまり今度は「右に半回転切り、次に左に・・・」となるのである。それだけならまだしも、45度の角度を保ってバックしていく際、ヘッドと荷台の角度が伸びすぎてしまったら右、曲がりすぎてしまったら左と覚えていたものを、逆に変換しなければならない。これが咄嗟にできない。
あ、伸びすぎちゃった。どっちだっけ・・・と数秒、悩んでから修正のためのハンドルを切る。で、間違った方に切ってしまい、さらに伸びてしまって入らなくなってしまったり。かなりこんがらがって、「うが〜っ!」と悶絶しかけたものだ。
これはもう理屈ではなく、経験で自然にハンドルを切るように練習するしかない。おもちゃのトレーラーを使ってシミュレーションするのもひとつの方法だ。実際、バックしながらスムーズにハンドルを回せるようになる頃には、もう卒業検定だったりする。
この左方向転換、意外に難しかったが、やはりコツを掴めばちゃんと入る(当たり前だけど)。だがこの時間内ではコツが掴めないまま終了。次の教習は土日を挟んで月曜日となる。
ちなみに第二段階では最短で7時間の教習がある。残りあと6時間・・・。 |
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