ヴェネツィア観光 
大鐘楼
 ヴェネツィアン・ガラス工房から出たわたしたちは道を戻り、サン・マルコ広場に引き返した。
 この大鐘楼、高さは96メートル。かつての監視塔と灯台を兼ねた塔だ。
 その歴史は古代ローマ時代にまで遡り、ヴェネツィアでも最古の建物である。
 
 壁の修理の不手際などが原因で、1912年に倒壊した。足元の「サン・ソヴィーノの小回廊」も埋もれて粉々に壊れたが、断片をつなぎ合わせて修復したという。
 エレベータには行列もなく、とても空いていた。
 同じツアーの新婚カップルも一緒になり、窓口でチケットを買って(6ユーロ)エレベータに乗り込む。
 男性のエレベータ係が操作し、90メートルの階上へ。
 
 いや〜素晴らしい絶景!
 彼方にはアルプスの山が見える。色彩が統一された街並みも美しい。
 足下に見えるクーポラはサン・マルコ寺院の屋根だ。
 反対側に回りこむと、海が間近。
 本当に素晴らしい景色で、いつまでもいたい気にさせられる心地よさ。これってきっと、建物の屋根や壁の色が揃っていて調和感があるからじゃないだろうか。
 日本の街を高みから見下ろしても美しいと思えないのは、どれをとってもバラバラな造りだからだ。
 
 
 先ほどボートで遡ってきた運河が見える。右側に切れているのがカナル・グランデ運河。
 サン・マルコ小広場。2本の柱の間が処刑場だった場所だ。
 わざわざ戻ってきて登ってよかったとは思うが、ガラス工房に行った足でリアルト橋に行った方が無駄のないルートだったかもしれない。
 シーズンにはエレベータが行列になると聞いたが、今の季節ならそんなに混まないかもしれない。
リアルト橋へ
 大鐘楼を降り、再び迷路のような商店街?へと戻った。添乗員さんにもらった地図を片手にリアルト橋を目指して歩く。
 高級ブランドショップから宝飾店、普通の土産物店まで、いろいろな店が軒を連ねている。
 しかし、どの店も値段が高い。
 こうしたカーニバル用の仮面も30ユーロから50ユーロくらいする。イタリアの物価は高いという印象だ。
 小運河が張り巡らされた本島は、橋の街でもある。
 さまざまな形状の橋が随所に見られる。
 街の中はまさしく迷路だ。
 路地は狭く、ウロウロしていると方向感覚があっさり失われてしまいそう。
 地図を手にしながらも、頼りは建物の壁に付いている黄色いプレート。ここに「リアルト橋はこちら」という案内が書いてあり、それを見ながら歩く。
 車はいっさい走っていないので轢かれる心配はないが、そのかわり荷物を満載した台車がひっきりなしに行き交っている。
 それを押す人がいきなり背後から「どいて!」というように声をかけてくるので、びっくりしてしまう。クラクションを鳴らされた通行人よろしく慌てて道を空けることが、しばしばあった。
 →ヴェネツィアン・グラスのシャンデリアを売る店。こんなシャンデリアが似合うお家に住みたいものである。
 イタリアでは、こんなセクシー下着も堂々と展示されている。
リアルト橋
 わたしと息子は地図を片手に、壁の標識を見ながらリアルト橋の近くにまで来ていた。
 先ほどまでいた広場あたりは「サン・マルコ地区」だが、ここまで来ると「サン・ポーロ地区」だ。
 歩いていると道が坂道になり、やがて階段になった。
 これまで平坦な道ばかりだったので、むむ、これは・・・と思って登ってみる。そう、この階段こそが橋だったのである。
 橋の上にも店舗があり、高く盛り上がったおもしろい構造だ。てっぺんから外に出て橋の外側を歩くことができるが、橋だと気づかずそのまま反対側に渡ってしまってもおかしくないような設計になっている。
 この橋の起源は13世紀。
 当時大運河に架かる橋はこれ一つで、木造の跳ね橋だった。
 帆船が通過できるよう開閉式だったわけだが、16世紀に大理石造りの橋の建造がスタートした。今日見られる橋が完成したのは1591年のことだ。
 東方貿易時代から橋の周辺では商取引が盛んで、現在でも荷下ろしで賑わっている。
 橋の上に出て大運河「カナル・グランデ」を眺める。
 橋の上から運河を眺めたいなら、ここが展望ナンバーワンだ。
 橋の両端は階段になっている。
 途中でロマ(ジプシーは彼らの蔑称とされる)の老女が物乞いをしていた。イタリアの都市ではこうした物乞いがたいへん多い。
 と、ちょうどここまでテレビを見ながら書いていたら、NHKの世界遺産スペシャルでヴェネツィアのことを放送し始めてびっくり。まあなんと凄いタイミングだこと。 
 それによると、ヴェネツィアは100以上の小さな島々によって構成されているため迷宮のようなのだという。
 そう、わたしたちは橋を一つ渡るたびに隣りの島に渡っているわけだ。ちなみに橋は400以上もあるとか。
イタリアで多く見られたブルドッグ。水上バス停。住民たちの日常の足だ。
 
 再び橋の上の商店街に戻り、ウィンドウショッピングを楽しみながらサン・マルコ地区へと戻っていく。
 途中、ヴェネツィアン・ガラスでできたアクセサリーショップに立ち寄って数点購入し、屋台でキーホルダーやカーニバル用の仮面を買い求めた。
 
 これが、わたしが買った仮面。実際に装着するための紐も付いている。顔の高さは約20センチ、値段は25ユーロ。
 他に紐がなく棒が付いているタイプ、顔半分タイプなどいくつかの種類があった。
 なにより日本に持ち帰ることを考えて、棒付きはかさばるので避けた。
 わたしが買ったこれも大きな羽根付きで、やっぱり非常にかさばった。
 羽根が折れてしまうのでトランクに詰め込むことができず、ガラガラバッグに入れて機内持ち込みにした。
 改めて見てみると、なんか地味な気がしてきた。次回行くときはもっと派手なのを買おう。


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