トイレの話
【イタリアのトイレ事情】
「便座がないよー!」  嘘みたいだが、イタリアのトイレには、便座がないことが多い。これは、初日に泊まったナポリのホテル「ホリデイ・イン」の部屋のトイレ。が、もちろんホテルだけでなく、レストランなどのトイレにももちろん、便座がない。最初は、誰かが持ち去ったのかと思った。でも、そうではないらしい。最初から付いていないのだ。
 信じられない、便座がないなんて。そう思いながら、ツルツルした冷たい陶器の上にお尻を乗せる。ホテルの部屋でなら直接座れたが、公衆トイレではかなり抵抗がある。いや、抵抗感だけでは済まない。神経質なようだが、気持ち悪くてお尻をべったりと乗せることができない。
 そこで、どうしたか。まず、トイレットペーパーを分厚く手に把り、便器の縁を拭く。で、おもむろに腰を降ろしていく。が、拭いたからといって、安心して着地してはいけない。便器に触れるか触れないかというところで静止し、そのままの姿勢で用を足す。
 つまり、要はスクワットの体勢だ。これは、馴れない人だと相当に辛いはずだ。足がプルプルしてしまい、あとから筋肉痛に襲われるかもしれない。
 わたしは普段からスポーツクラブでスクワットをしていた(というか、させられていた。強制的に)ので、これはわりと苦にならなかった。だから、これからイタリアに行こうという方は、2日置きくらいにスクワットをして下半身を鍛えておくことをオススメする。正しいスクワットのやり方はこちら→フィットネス瓦版へ
 じゃあ、なんで最初に拭くの、という質問が出るかもしれない。そりゃあ気持ちってもんです。だって、脱いだズボンとか汚い便器に触れたら嫌でしょ。今回のことで思いました。次に旅行に出るときは、便座除菌クリーナーを持っていくぞ、と。
 さて、これはアルベロベッロで泊まった「アストリア」のバスルーム。実はこれ、便器じゃなくて、ビデなのだ。いや、中田ヒデじゃなくて、ビデ。ウォシュレットに付いている、毎日の生活に欠かせないあのビデである。このアルベロベッロのトイレでは、便器の隣りに並んで置かれている。
 最初、これ何? って思った。トイレを済ませた後、いちいちこれにまたがるのかい? という感じである。
 騙されたつもりで、試しに使ってみた。蛇口からはちゃんとお湯が出るが、上には向いていない。だから、手でちょいちょいと掛けながら洗う。
 ホテルには必ずビデが置かれているというのでもなく、ないホテルもある。ないと、やっぱり不便。できればウォシュレットがあれば最高だけど、このビデのみというのもけっこうイケル。日本代表にいないと困るのがヒデ、トイレにないと困るのがビデ。である。
 
「チップがいるよ!」  アルベロベッロでひととおりの観光を終え、駐車場にある公共トイレに駆け込んだ。正面に店番? いや、トイレ番の男の人が座っていた。小さな台にはチップを入れるカゴが置いてあって、小銭がいくつか入っている。
 ま、まずい。チップがいるよ、ここ。わたしはバッグのポケットをゴソゴソさぐって、50セントのコイン(0.5ユーロ)を探した。だが、出てくるのは1ユーロとか、2ユーロなどのコインばかり。
 わたしは両替してからと思い、踵を返した。すると、背後から男性が「Hey」と声を掛けてきた。振り返ると、入れとでもいうように手振りをしている。わたしが「No money」と言うと、「OK、いいよ」と言ってくれたので、礼を言ってトイレに入った。出るときももちろん、男性に「グラッツェ」と礼を言って出た。
 ちなみに、男性トイレから出たばかりの、関係ないおじさんまで一緒になって「ヘイ」とわたしを呼び止めてくれた。やっぱり大好き、気さくなイタリア人♪
 ツアーの集合場所に行くと、幾人かのお仲間が集まってきていた。バスの出発までにはまだ時間がある。3人がトイレに行くというので、わたしは「チップがいりますよ!」と伝えて見送った。
 3人が戻ると、やっぱり0.5ユーロ持っていなかったけど、入れてもらったと話していた。どうやら、このチップというのも適当なものかもしれない。もちろん、持っていれば払うに越したことはないだろうが、ないからといって躊躇せず、にっこり笑って「No money」と言えば、たいてい入れてくれるに違いない。(たぶんね)
 
【ギリシャのトイレ事情】
「付いたままゴミ箱へ?」  意外にも、ギリシャのトイレにはちゃんと便座があった。しかもブルーを基調としたカラーリングだったり、花を飾ってあったり、とても綺麗な所が多い。さすがにギリシャ人は、イタリア人より繊細なセンスと美的感覚を有しているようだ。
 ただし下水の配管が細いとかいう理由で、使用済みのトイレットペーパーを流してはいけないトイレが多い。
 このトイレでは流してもOKらしかったが、駄目なところでは、ちゃんと禁止のプレートが貼ってある。
 下の画像は、エーゲ海一日クルーズの船のトイレ。ゴミ箱には使用済みペーパーがぎっしり詰まっている。
 おいおい、本当かよ? ここに○○○が付いた紙を捨てるってわけ? なんか、ものすごく抵抗があるんだけど。いや、別に本当にエーゲ海上で○○○をしたというわけではないのだが、例え「小」の方であっても付いたままゴミ箱に入れるのは抵抗がある。
 だが、郷に入っては郷に従えと言う。下水が詰まったら困るから、ちゃんとゴミ箱へ、ポイッ。と思っていたら、つい習慣で流してしまった。ごめんなさ〜い。
 
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