5日目Prat2 メテオラ見学
天空にそびえ立つ巨岩群と、その上に建てられた修道院が圧巻のメテオラ。キリスト教の一種である東方正教会の修道院が、それぞれ別の巨岩の上に建てられている。
1988年、世界遺産に登録される。男子修道院と女子修道院の両方が存在しており、最盛期には数百人の修道士が修行をしたそうだが、現在では数人しか残っていないという。無人の修道院もあるそうだ。
途中、垂直の岩場を登っていくフリークライマーの姿が見えた。真ん中に開いた穴の中では、先着した人が後から登ってくる人を待っているようだった。
それにしてもお坊さまたち、なんでこんなところに修行の場を求めてきたのだろうか。
一説には、神に近づきたい一心だったとか、厳しい環境に身を置くことによって悟りを開こうと考えたとか、トルコからの攻撃を避けるために逃げてきたとか、様々な要因が含まれている。
実際、修道院の中の資料には、メテオラの修道院を攻撃するトルコ軍と、それに応戦する修道院兵の姿を描いた絵もあった。
わざわざ苦しい環境に身を置いたり、高いところに登って神秘の力を求めたり、迫害と戦ったりという姿は、古今東西どこも変わらないものである。
メガロ・メテオロン修道院
最初に見学するメガロ・メテオロン修道院。
標高616mに位置するメテオラ最大の修道院で、メテオラという地名のもとにもなった。
1344年、メテオラ出身の修道士アサナシウスがこの岩山に登り、礼拝堂の中での苦行の生活に入ったのが始まり。この礼拝堂は今も修道院の入り口にある。
修道院には、115段の階段を登って入るという。ふえぇ、あそこを登るのぉ? と、今からもう息も絶え絶えだ。
実はこの階段、後から取りつけられたもの。昔はなかったのである。
ではどうやって暮らしていたのかというと、修道院の裏手には農園があって、ほぼ自給自足の生活だったらしい。ぶどう園もあり、なんとワインも製造していたという。
また、下の画像にあるような対岸に結んだロープを使って物資を運搬していた。階段もなかった当時は、このロープに通したバスケットに人が乗り、行き来していたというから恐ろしい。
ゼイゼイ喘ぎながら階段を登りきり、中に入る。わたしよりずっと年上の方たちのほうが、ほいっほいっと軽快に登っていくのだから、嫌になってしまう。
そのツアーのお仲間たちとスカート姿を記念撮影。この変なスカート、ミニスカートやパンツ姿の女性にレンタルされるもの。神聖な修道院内で女性が足や肌を出すのは厳禁なのだ。
それにしても足を剥き出しにしているわけじゃなし、ズボンのどこが悪いんだろう?
展示室のワイン樽。修道士自らワインを製造していたと前に書いたが、食事時に飲んでいたという。
でも、修道士は院内での私語を禁じられており、食事時も例外ではなかった。
しーんと静まりかえった食事中にワインを飲んでも、面白くないなぁ。
代々の修道士の骸骨が収められた納骨堂。現在の修道士は、ここに入ることはないという。
修道士さんたちの部屋があるところ。
ドアが小さく、かがまないとくぐれないのではないだろうか。(それとも昔の人が小さかったのだろうか)
これはキリストを描いたフレスコ画。食堂や祭壇のある聖堂なども案内されたが、そこは撮影禁止で写すことができなかった。素晴らしく美しい聖堂だっただけに、とても残念だ。
この東方正教会(ロシア正教会、ギリシャ正教会などはその一派)が、ローマ・カソリック教会とはどこがどう違うかというと、まず聖堂にキリストの張りつけ像やマリア像などは置かれていない。ローマ・カソリック教会の豪華絢爛主義とは対照的に、その祭壇はどちらかというと地味で、イコンと呼ばれる宗教画が飾られている。
ローマ・カソリック教会が人間の原罪を償うために祈るのに対し、東方正教会は「オーソドックス」と言われる原始キリスト教の精神を純粋に伝えてきた。
※page17に、最近建てられたアギオス・ネクタリオス修道院の模様が掲載されているので、祭壇の様子などをご覧下さい。
花が美しく咲く中庭。カランバカの街を見下ろすテラスへと続いている。
修道士たちは、このテラスでのみ会話を許されたという。
わお、だっさ〜い、なんて言わないでね。スカートを履く決まりなのよ。
ちなみに男性の短パンも禁止。なので、スカートを履くのが嫌な男性諸氏は、長い丈のズボンでお越しください。
テラスでくつろぐ猫ちゃん発見。なんか、友だちんちのブーちゃんにそっくりなんだけど・・・。
「ブーちゃん、はるばる修行に来たのかい?」
修道院を降りて下の土産物店の所に来ると、やっぱり猫ちゃんがゾロゾロ。
あら、新之助(左下)もいるじゃん。「よしよし、お母さんを追いかけてきたのかい?」と馬鹿なことを言って撫でようとしたが、見事に逃げられた。
バスに乗って移動する途中に見たアギア・トリアダ修道院。15世紀後半に建てられ、後年岩を削って造られた階段は140段もあるとか。
添乗員さんの説明では、ここで映画「007〜ユア・アイズ・オンリー」(ロジャー・ムーア主演)の撮影が行われ、誰かが飛び降りるシーンが撮られたという。この修道院、なんと麻薬マフィアの隠れ家という設定だったんだって。
はるか後方に、先ほど近くを通ってきたピンドス山脈が見えている。
アギオス・ステファノス修道院
女性のための修道院、アギオス・ステファノス修道院。そのせいか、全体的に優しく瀟洒な印象を受けた。
12世紀末に隠遁者ジェレミアが生活していた跡に、14世紀、2人の修道士が修道院を建てたのが始まり。メテオラで最も古い修道院である。
ここへ入るには道から渡してある橋を通るだけなので、疲れた足には非常にありがたかった。
箱にお金を入れ、ろうそくを灯しているお婆さん。仏教の寺院でも見られる光景だ。
これが東方正教会で拝礼の対象となるイコン。キリストやマリア、聖人の絵などだ。
車椅子の見学客のために設けられた昇降機。黒い衣を着た修道女が操作していた。
院内には売店もあり、レジに座っているのももちろん修道女・・・のはずが、鼻の下に黒いヒゲの生えた方がいる。「あれ? 女性の修道院じゃなかったっけ?」と思っていたら、声を聞いて納得。やっぱり女性だった。おひげ、剃らないのねー。
ここの礼拝堂も美しくて見事だった。ローマ・カソリック教会のキンキラキン主義とは一線を画した、それでいてやっぱりゴージャスな装飾は素晴らしいの一言。
テラスから見る街の眺めもお見事である。
ホテル・ディヴァニ〜フリータイム
メテオラ観光を終え、ようやくホテルへチェックイン。あー疲れた、疲れた。
チェックイン中の添乗員さん。高級感のあるロビーにレストラン、ガラス張りのエレベータ、部屋の設備も申し分ないホテルだった。
巨岩側の部屋とそうでない部屋をクジで決めたら、見事巨岩群側となった。ただし、別棟の建物が邪魔して半分のみの景観だった。夜は十字架がライトアップされていて、神秘的な光景だった。
誰一人泳いでいなかったが、プールがあって高級感をかもしだしていた。
ガラス張りのエレベータから見える巨岩群。わたしたちの部屋から見えるのは、この右部分だ。
午後6時、夕食までのわずかな時間がフリータイムになったので、カランバカの街に出てみた。
治安は問題なさそうな様子で、子どもからお年寄りまで思い思いにくつろぐ様子が見られた。
街をそぞろ歩いていると、アイスクリーム屋さんがあった。
そこで、サユちゃんはシューアイスを、わたしはキャラメル入りのアイスクリーム、カプチーノを注文した。アイスはやっぱりとっても甘かった。
グルグルまわってローストされているお肉発見。なんという料理なのかは、ガイドブックにも載っていなかった。別のお店でも、てっぺんにはなぜかフルーツや花で飾り付けがされていた。あとで調べたら、ギロという回転焼肉だそうだ。大きな肉の塊をゆっくり回し、焼けた外側を薄く削り落として様々な料理に利用する。ギリシャの街中でよく見かけるものなんだとか。
ここの道をずーっと下っていくと、お昼を食べたレストランに行き当たる。
わたしは化粧品店を探していたが、街には薬局しかなかった。
サユちゃんは靴屋さんでウォーキング用の靴を、土産物店ではアクセサリーなどを購入した。
が、この店での買い物が100ユーロを超えたため、さゆちゃんはカードが使えるかどうか、おじさんに尋ねた。おじさんはOKと言ったものの、カードの切り方がよくわからない様子。
カードをカシャッと切る機械(とも呼べないもの)に書いてあるカード会社に電話を入れようとする始末で(問い合わせしないと使えないのかな?)、あまりに時間がかかりそうな予感。そこで、サユちゃんは日本円を使うことにした。これならカード購入よりディスカウントしてくれると、おじさんが言ってたからだ。
だが、いざ計算しようとすると、おじさん、日本円のレートを知らないらしい。紙に何かを書こうとし、うーむと悩みこむ。
そこでわたしが紙に、「1=¥136」と書いてみせた。これはまったくの言い値、というか、ここへ来る前、銀行の電光掲示板で確認した買い取り用のレートを示したものだ。
「こんなレートでいいのかな?」と思ったが、おじさんあっさりと「OK!」と言う。「えっ、ホントにこのレートでいいの?」と思ったが、それで計算して支払い、お店を後にしたのだった。
ホテルに帰って添乗員さんにこの話を報告すると、「わっはっは〜」と大笑いして、「それじゃ、おじさん損してんじゃん!」と愉快そうだった。
実際のレートを後で確認すると、146円ほどだった。サユちゃん、ちょっと得しちゃった? おじさん、ごめんね〜。
買い物から戻って部屋に荷物を置き、レストランへ。さあ夕食だ。
ここへきて初めて、スープが出された。
前菜の野菜の盛り合わせ、キュウリとトマト。
部屋に戻るや、またもや疲れ果ててシャワー後はバタンキューだった。
明日はまたスーツケースを持って移動、デルフィ観光に向かう予定である。

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