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 平成19年8月10日(金)〜16日(木)Vol.212
 
 ■夏休みキャラバン〜ディープな東北秘湯めぐり Part8
 
■5日目:新玉川温泉へ
 奥奥八九郎温泉をあとにし、再び東北自動車道に乗って南下、わたしたちは玉川温泉に向かった。
 玉川温泉は秋田と岩手の県境にまたがる八幡平の秋田県側に位置している。
 pH1.2という強酸性泉は、日本最高の数値だ。酸性が強いため、近くの施設で中和処理をしてから川に放出している。
 湧出量は毎分9,000リットル。これは一つの湧出口から湧く量としては、日本一を誇る。(総湧出量としては、2千を越える源泉を有する大分県・別府温泉の毎分95,167リットルというのが日本一。自然湧出としては草津温泉の毎分32,300リットルが日本一である)
 ガンに効能があるということで、全国から湯治客が集まる。多くの人がゴザを敷いて岩盤浴を行う光景はたいへん有名である。
 岩盤浴を行う「自然研究路」は国立公園内にあって、別名「地獄谷」と呼ばれている。
 硫酸水素ガスが噴き出す、地熱の高い一帯だ。放射線を出すラジウムを含んだ北投石が、日本で唯一この場所でだけ産出される。北投石は天然記念物に指定されており、世界では他に台湾で産出されることが知られている。
 さて、今回わたしたちが利用する温泉は、正確には新玉川温泉である。
 新玉川温泉と玉川温泉は同じ源泉を利用しており、距離は近い。直線にするとわずか500メートルほどだ。しかし、直接行き交う道がないため、実際移動するとなると3キロほどの行程となる。
 わたしたちは県営のビジターセンターにトレーラーを入れ、新玉川温泉に歩いて向かった。新玉川温泉の駐車場が満車だったためである。
 ここから新玉川温泉へは徒歩5分ほど。
 カーブした道を登っていくと、洗練された印象の建物が見えてきた。
 新玉川温泉は、玉川温泉と同じ湯瀬グループの経営で、新たに観光客向けに作られた設備の整ったホテルだ。
 一方、玉川温泉の宿泊施設は、空気中の酸性濃度が極めて高いため金属類が腐食しやすいという理由から、客室に電話、冷蔵庫、エアコンなどがないという。
 ゴザを敷いての岩盤浴は、新玉川温泉にはない。ただ、露天風呂に「温熱浴」という岩盤浴がある。
 露天風呂に入ったついでに転がってみたが、やはり地獄谷に寝っ転がってのワイルドな岩盤浴とは趣きが少々違うような気がする。
 うっかりゴザのないところに立ったら、ヤケドをしたかと思うくらい熱かった。
 「温熱浴」の隣は露天風呂になっている。お湯は光りの加減で緑色にも黄緑色にも変化して見える。
 中の浴室はけっこう広い方だ。湯治場としての雰囲気を大切にした、和風のデザインに好感が持てる。
 しかし、非常にたくさんの入浴客がおり、イモ洗いとまではいかなくても、かなり混雑していて落ち着かなかった。
 メインの源泉100%の浴槽は浴室の真ん中に位置し、もっとも大きい浴槽。一番たくさんの人たちが浸かっていたため撮影ができなかった。
 こちらは浴室の端の方にある「熱い湯」、「ぬるい湯」と名前のついた小さい浴槽。
 メイン浴槽の源泉100%は、肌に小さな傷でもあると大変シミルと聞く。わたしは本来肌が強く、この日は傷もなかったため、わりと平気だった。
 しかし、あとで夫に聞くと、1回入ったあと洗い場で髭を剃り、体を洗って2度目に浸かったところ、顔や体がピリピリとたいそう痛み、10秒も浸かっていられなかったという。
 ←画像はパンフレットから転載したもの。新しく作られたものでありながら湯治場の雰囲気を壊さない総無垢木造りの浴室に、たいへん好感が持てる。
 100%の浴槽とは別に、肌の弱い人のために源泉50%の浴槽も用意されている。が、それでも敏感な人は痛むことがあるそうだ。
 また、浴室の奥には飲泉場があり、コップが置かれている。源泉を水で3杯に薄めてから飲むようにという説明が書かれてあった。
 試しに源泉そのままを少しだけ飲んでみたが、なるほどガブガブ飲んだら胃に穴が開きそうな酸っぱさだ。
 適度に薄めて飲むと、味はほとんどレモン水。爽やかな酸っぱさがおいしかった。
 ところで、玉川温泉の方でも日帰り入浴ができる。自然研究路でゴザを敷いて岩盤浴をすることも可能だ。
 湯治目的の宿泊をしない人でも、ガンの転移を防ぐために毎年岩盤浴にやって来るという人もいるそうである。じゃあ、ガンではない人が放射能のある場所で岩盤浴をして大丈夫なのだろうか?
 わたしは多少の不安を感じるので、次に訪れる機会があっても岩盤浴はやらないつもりだ。しかし、ぜひ玉川温泉の浴室でも湯を堪能してみたいと思っている。
■田沢湖へ
 今夜は玉川温泉ビジターセンターで一泊しようかと思っていたが、事情が変わって、さらに南下を続けることとなった。
 実は浅川ファミリーが同じ秋田県に来ているので、どこかで落ち合おうということになったのだ。
 わたしたちは一家が来ているという乳頭温泉郷の近くまで降りていくことになった。
 途中、宝仙湖、秋扇湖と風光明媚な景色を楽しみながらR341号線を下っていく。
 田沢湖は、平成16年のGW家族で訪れたことのある場所だ。田沢湖キャンプ場に一泊だけし、乳頭温泉郷の黒湯温泉や鶴の湯などをハシゴした。
 雨降りだったので田沢湖で遊ぶということもなく、せっかく湖畔に来たのに湖の姿を見ることもないまま終わってしまった。
 そのリベンジというわけではないが、湖のまわりを一周したいなと思ってトレーラーを牽いたまま湖畔をドライブした。
 田沢湖の最大深度は423.4メートルで、日本の湖ではもっとも深い。世界では第7位だという。
 周囲長は20キロ。
 かつては31mの透明度を誇る綺麗な水で、固有種のクニマスが棲息していた。
 しかし、1940年、発電所建設のため別の水系から玉川を導入したところ、「玉川毒水」とさえ呼ばれる玉川温泉の強酸性水によって魚類が全滅してしまった。
 クニマスも死滅し、幻の魚となった。
 現在は前述した酸性水中和処理施設によって湖水が中性に近づいており、透明度は4メートルだという。放流したウグイも棲息し、少しずつ回復しつつあるそうだ。
 わたしたちは後座石神社の先のドライブインで、ちょっと小休止することにした。
 湖の水面まで降りていく階段があったので、ワンコを連れて散策してみた。
 階段の一番下まで降りてコバルトブルーの湖水を眺める。
 透明度があってなかなか美しい。水の中には魚群の陰が見えた。
 その間、夫はトイレに入り、次に売店に立ち寄ってちょっとした土産物を購入していた。
 ドライブインに停めてなにも買わないでは悪いと思ったので、「何か買っておいて」と、わたしが頼んでおいたのだ。
 土産物屋のおじさんが出てきて、「えらいの引いてるねー」と盛んに感心していた。
 ところで田沢湖には、龍に化身して湖の主となった辰子の伝説が残されている。御座石と呼ばれているこの一帯には下半身が龍の形をした辰子像や「辰子の鏡石」などの見所がある。
 この他、プリンスホテルの近くには辰子のブロンズ像も立っている。
 田沢湖固有の魚であったクニマスは、辰子を想って母親が投げこんだ松明が魚になったものだという伝説があるそうだ。
■5泊目:アルパこまくさ
 ところで、浅川ファミリーが乳頭温泉郷にいるということはわかっていたが、浅川夫妻の携帯が圏外のためなかなか連絡が取れない。
 田沢湖から乳頭温泉郷の間にあるスキー場の駐車場で一泊するらしいということなので、2〜3カ所のスキー場に行ってみるが、P泊できそうな適地が見あたらない。
 すると、田沢湖高原スキー場の近くに「アルパこまくさ」という温泉のある駐車場を発見。
 駐車場は広く、車中泊キャンパーも数組いる。
 とりあえずそこで待っていると、やがて浅川さんから電話があり、そちらに向かっているという言葉とともにドリーバーデンが現れ、無事合流することができた。
 夜、浅川ファミリーとジンギスカンを囲んで夕げのひととき。
 ギョウザを焼いて食べたりワインを飲んだりと、楽しい夜であった。
 ちょうどペルセウス座流星群の最大出現日にあたっていたので、このあと駐車場のアスファルトの上に寝ころんで流れ星を見たりした。
 アルパこまくさの温泉施設。乳頭温泉郷から湯を引いた源泉掛け流しの温泉だそうだが、疲れていたのでP泊した夜は入らなかった。
 翌朝、朝一番で入ってから次へと移動しようと思っていたが、開館は9時から。毎朝6時に起きて移動するわたしたちにとって、9時というのは遅すぎる時間だった。
 さて、どうするか。アルパこまくさには入りたいが、9時まで待てない。ああ、昨夜に入っておけばよかった・・・。
 が、後悔あとに立たず。
 結局ここには入ることなく、次なる目的地である国見温泉へと向かったのだった。
 朝早くだったにもかかわらず、浅川夫妻や、たまたま同じ駐車場で一泊した他のキャンパーたちがわざわざ外に出て手を振り、出発するわたしたちを見送ってくれた。
 それから、わたしたちがまだ起きる6時より前、挨拶に来てくださった方もいらした。チョビママ@練馬さんだ。
 小さな声で声をかけてくださって目が覚めたが、夢かも? と思ってすぐには起きなかった。挨拶できずにごめんなさい。

今回入った温泉
 新玉川温泉温泉
  

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