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サロベツ原野から数キロのところにある、豊富町立日帰り温泉。豊富温泉は日本最北端の温泉街で、大正末期に拓かれた歴史ある名湯のひとつだ。
とんがり屋根の建物は北海道らしい雰囲気を湛えているが、実際ものすごいお湯がありそうだという感じはちっともしない。
1926年(大正15年) 、石油を試掘している最中、天然ガスとともに温泉が湧き出たそうだ。新潟の月岡温泉もそうだが、石油を掘っていて湧出した温泉には石油臭いものが多い。この豊富温泉もそうで、相当に油臭いと聞いてやって来たのである。 |
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建物は旧館と新館とに別れている。玄関から廊下を進んですぐ右側にあるのが湯治客向けの旧館。
湯がアトピーや疥癬などの皮膚病に効くとされ、薄めずにそのまま供給しているのがこの旧館である。
お湯はぬるめ、緑がかった濁り湯で掛け流し。表面に油膜が張り、濃厚なコールタール臭が漂っていた。チャッカマンで点火したら、ボッと火に包まれるのではないか、と思われるほどの石油臭さだ。
肌触りもぬるぬるとオイリーで、まるでサラダオイルが指についちゃったみたいな感じ。手すりもヌルヌル、床もヌルヌル。慎重に歩かないと、足の裏に付いた油で滑って転びそうだ。
とにかく日本一という評判に違わず強い石油臭に見舞われ、あまり長いこと浸かっていられなかった。別に気分が悪くなったとかではないのだが。
掛け流し湯の場合、普段はシャワーで体を洗って出るということはしないのだが、今回はしっかり石鹸で洗い流してから服を着た。それでも、なんとなく肌から石油臭が立ち上ってくる気がしたし、浴室に持ち込んだタオルは翌日になっても強く匂った。 |
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上記のメイン浴槽の他に、真湯を張った小さな浴槽がある。無色透明の湯だが、表面にはやはり油膜が浮いていた。
一方、右は新館にある一般客向けの浴室。新しくて綺麗だ。
湯は濾過加水されているらしいが、こちらもだいぶ強い石油臭とのこと。わたしは空腹だったのでこちらには入らなかった。
とにかく湯質の特質が特質だけに好き嫌いが大きく別れると思われるが、これだけ濃く石油が混じった温泉に入れて、わたし的には大満足であった。 |
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