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 平成18年11月10日、11日入浴
 
湯田中温泉よろづや
住 所 長野県下高井郡山ノ内町湯田中温泉  Tel:0269-33-2111
アクセス 上信越道 信州中野ICから約20分
公式サイト http://yudanaka-yoroduya.com/
日帰り入浴時間 日帰り入浴プラン(日、火、木曜限定、要予約)
 11:30〜13:30 桃山風呂(男性) 東雲風呂(女性)
 13:45〜15:30 桃山風呂(女性) 東雲風呂(男性)
料 金 2,800円
泉 質 源泉名:畦上噴泉  源泉温度 93.6度  泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉)  ph8.39  成分:ナトリウムイオン440.2mg、カルシウムイオン69.1mg、フッ素イオン1.8mg、塩素イオン639.8mg、硫化水素イオン0.2mg、炭酸水素イオン17.7mg、蒸発残留物1741mg/kg
施 設 内湯1、露天風呂1、サウナ、備品、お食事処あり。
 小林一茶もお気に入りだったという湯田中温泉「よろづや」の別館、「湯楽庵」に泊まった。
 「よろづや」は江戸時代の寛政年間に創業したといわれる開業約200年の大老舗。松代藩領だったことから、殿様が1799年(寛政11)から1862年(文久2)の6回にわたり「御境廻り」に訪れた記録が残っているという。 
 ここの名物は、登録有形文化財に指定されている伽藍建築の「桃山風呂」だ。
 まず脱衣場からして歴史を感じさせる造りである。
 欄干は越後の彫刻師・相崎武吉によるキジの透かし彫りで飾られている。寄木細工の脱衣床板も当時のままだという。
 扉の上に掲げられている額は、佐久間象山の「洒心」(さいしん)というもの。
 象山はこの松代藩に生まれた下級武士で、のちに兵学者、思想家、洋学の第一人者として知られるようになる。
 嘉永6年(1853年)、アメリカ海軍のペリーが来航して以降は開国派の論客となった。
 香取慎吾主演のNHK大河ドラマ「新選組!」をご覧になった方は、石坂浩二さんが演じた最後に暗殺されてしまう学者役と言えばおわかりになるだろう。
 ここまで凄いと、なんだかお風呂というより格式の高いお寺のような雰囲気だ。もうお湯なんてどうでもよくなってしまう。
 ・・・とはいえ、温泉好きとしては一応お湯のレポをしておかねばならない。
 桃山風呂は、桃山調の書院造りに天平や鎌倉様式の紅梁、桝組を交えた伽藍建築の浴場だ。
 1951年から1953年(昭和26〜28)にかけて造られ、木材には杉丸太、ケヤキが使用されている。
 天井は浴場にありがちな吹き抜けではなく、一枚一枚、枠の中に板をはめこんだ手の込んだ造り。旧家や寺院の天井のようだった。
 浴槽は37平方メートルと、たいへん広い。 
 湯船に浸かって脱衣所方向を見る。古びてはいるが、威風堂々とした造りで心底感服。
 お湯はご覧の通り無色透明、匂いもほとんどないサラッとしたもの。
 岩を組んだ湧出口近くでは、硫化水素臭がぷーんと漂っていた。ひしゃくが置かれており、湯をすくって飲んでみると、ほのかな塩分と卵味を感じた。
 湯温が93.6度と非常に高いので、地下水を25%まぜているという。が、それでもここの桃山風呂が一番お湯が濃いように感じた。
  翌日、男女入れ替わった「東雲風呂」にも入ったが、硫化水素臭や卵味、またツルツルした肌触りといったものは特に感じられなかった。
 なにが凄いって、ここのお湯は驚くほどよく温まる。これまで様々なタイプの温泉に浸かってきたが、野沢温泉に並んで最もよく温まる温泉ナンバーワンに推したい。
 それくらいポカポカになるのだ。源泉は「畦上噴泉」という。あとで入った「大湯」や他の共同湯はボーリングされた源泉である。
 桃山風呂の外にある大野天風呂。
 以前、HPでここの画像を見たときは池かと思ったが、れっきとした温泉だった。
 一般のデジタルカメラでは全景を映し出せないのが残念だが、実際はもっと広々としている。とはいえ、HPや雑誌などで見る大野天風呂は広角に映りすぎ。思ったより広くはないが、わたしが撮った画像よりは広いといったところだ。
 屋根は古寺のおもむきを湛えており、なんだかお賽銭を投げたくなってしまった。 

 こちらは「東雲風呂」で、近年造られた近代的な浴室である。小さいながらも露天風呂を備えジャグジーもあるが、雰囲気は桃山風呂には遠くおよばない。
 桃山風呂は夜9半まで女性専用。22時から男性専用に切り替わり、昼時の清掃時間を経て、午後2時から再び女性専用となる。つまり、金曜日に到着して入れ替わりとなるまでの数時間しか、入ることができないというわけである。
 この宿は日帰り入浴も受け入れている。かつては日帰り入浴だと女性は桃山風呂に入れないこともあったそう。その後 入れ替わり、今度は日帰りだと男性が桃山風呂に入れないようになった。
 女性客を大事にする姿勢は評価したい。
 現在は日、火、木曜限定で日帰りプランを設定しており、時間帯を選べば男女ともに桃山風呂に入ることができるようになった。(要予約)
   
   
 
 
  ■平成18年11月11日入浴

湯田中温泉 大湯
住 所 長野県下高井郡山ノ内町湯田中温泉  Tel:0269-33-2851(湯田中温泉旅館組合)
アクセス 上信越道 信州中野ICから約20分
公式サイト http://www.avis.ne.jp/~yudanaka/
日帰り入浴時間   -
定休日 毎月3日・11日・18日・26日の9〜17時は湯払い清掃のため利用不可。
料 金 無料(宿泊者のみ)
泉 質 源泉名:共益会4号  泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性弱アルカリ性高温泉) ボーリングナトリウム・カルシウム-塩化物温泉  ph8.58
源泉温度 57.8度  湧出量 220リットル/分  成分:ナトリウムイオン448.8mg、カルシウムイオン65.3mg、フッ素イオン1.8mg、蒸発残留物1687mg/kg
施 設 内湯1。洗い場、備品、休憩所、コインロッカー等、なし。
 湯田中温泉に9つある共同湯の一つ、「大湯」。入口には鍵が掛けられ、湯田中に宿泊している人は鍵を借りて入浴することができる。
 他の共同湯もすべて鍵付きだが、こちらは毎月26日(フロの日)に一般に開放されるとのことである。
 「大湯」の完成は明治19年11月。「養遐齢」(ようかれい)の額は、陸軍軍医総監・松本順が「大湯に入って長生きするように」という願いをこめてしたためたもの。
 額の下には「温泉地の共同浴場番付」が貼られており、それによると湯田中温泉は東の横綱だそうである。
 さらに大関は鳴子、関脇・野沢、小結・那須湯元と続いている。前頭は18ヶ所も記されているが、草津温泉が後ろから6番目というのは納得がいかない。
 ちなみに西の横綱は愛媛の道後、大関は兵庫の城崎、関脇は石川の山中だそうだ。わたしはこのどれにも行ったことがない。
 小結でやっとこさ別府温泉が出てくるが、これにもちょっと納得しかねる。
 ところで、現在の建物は当時の面影をそのままに再現した2代目だという。
 建物の前には「小林一茶句碑」もあった。それによると、信濃町柏原に生まれた俳人・一茶(1763〜1827年)は、門下生である湯元希杖がいたため(湯田中の老舗宿「湯元」の6代前の当主)、晩年に至るまでたびたび「湯元」に逗留したという。
 文政5年(1822年)、温泉がもったいなく流れている情景を詠んだのが、
 「雪ちるや
     わき捨てある
         湯のけぶり」
 という句だそうである。
 脱衣所と浴室の境には仕切りがなく、ひと続きになっている。共同湯によくあるパターンで冬は寒いが、この方が荷物の盗難が少なくてよいのではないだろうか。
 浴槽は真ん中で仕切られ、湯口の方が熱く、遠い方がちょうどよい湯温になっていた。
 湯口のあたりではほんのりと硫化水素臭が漂う。
   
   


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