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道の駅「明治の森」でブラボー夫婦と別れ、帰途に着くべく走り出したわたしたちだが、もう一軒温泉に寄っていくことになった。
ここ「大鷹の湯」は東北道 西那須野塩原ICにほど近い一軒宿だ。「明治の森」方面から新しいバイパスもできて比較的近い。
掛け流しということなので楽しみに訪れたが、なんと昼の日帰り入浴の受付時間を30分ほど過ぎてしまっていた。
ふと横の掲示板を見ると、「貸切風呂」という文字を発見。 |
玄関前で「入浴受付終了」の張り紙をしている従業員さんに、ワラをもすがる心境で「貸切風呂はいいですか?」と尋ねると、10分ほど待てば準備できるという。値段は少々高くなるが、仕方がない。ロビーに上がり、裏庭を眺めながら待っていた。
裏はなにやら湯治場のような風情。上の方に湯小屋らしき建物があり、そこから浴衣姿の人が降りてくる。それを、テレビ番組の収録だろうか、大きなカメラで撮影している様子が見られた。テレビ東京の温泉番組かしら。さすがは那須、有名どころだけにここでもテレビ撮影が行われているのかもしれない。 |
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さて、少し待っていると名前を呼ばれ、わたしたちは宿の従業員さんに導かれて別棟に向かった。
いくつかあるドアの一つを従業員さんが鍵で開け、「どうぞごゆっくり」と言って鍵を置いて立ち去った。
小さな脱衣所だが、ちゃんと寒くないようにファンヒーターが置かれ、トイレ、洗面所も備えている。
内湯は石があしらわれ、小さいながらも立派な造り。熱めのお湯が掛け流しになっている。
茶褐色のお湯は紅茶のようで、なんとも素晴らしい木の香り。浸かると肌がぬるぬるしてくる。こういういわゆるモール泉は東京を中心とした平地に多く、腐葉土泉と呼ぶ場合もある。 |
ここからわずか2キロほどのところにある「塩原カントリーキャンプ場」の「やしおの湯」のお湯も同じヌルヌルする茶褐色の湯で、湯温、ph、成分総計など実によく似ている。近いので地下で繋がっているのだろうか。
ところで、この貸切風呂は半露天とのことだが、寒さをしのぐためか透明の波板で覆われている。そのため外がどうなっているのかほとんどわからない。その点だけはちょっと惜しい。
隣りの浴室とを隔てる仕切りは上部が開いていて、隣人の声がよく聞こえてくる。 |
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湯口では、お湯を高い位置から注ぎ込み、高温泉を自然に冷ます工夫がなされている。
狭い貸切風呂ながら良泉を堪能でき、夫婦水入らずで楽しめたひとときだった。 |
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ところで、貸切風呂に入れたからといって、大浴場がどんなものかという好奇心が失せたわけではない。
貸切風呂のある別棟から本館に戻る際、大浴場の近くを通ったため、こっそり覗かせてもらった。
ここは男湯。明るく広々とした浴室だった。露天風呂も開放的な印象を受ける。ここはやはり一度は受付時間内に訪れ、大浴場で入浴したいものだ。
ところで、「大鷹の湯」玄関かたわらには、明治42年・西那須野において開通し開拓に貢献した塩原軌道のホームなどを再現したモニュメントがあった。昭和15年に廃線となるまで、温泉客の重要な足となったという。 |
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ちなみに当館では自家源泉100%掛け流しで、一人あたりの掛け流し量を0.5リットルから1リットルと定めているという。そのため、一日300人を越えると入場制限が行われるのだそうだ。せっかく入浴に来ても断られてしまうこともあるというシビアな宿だが、お湯に対する真摯な姿勢、そして自信に溢れた態度には好感が持てる。
温泉に対する認識をかけらも持ち合わせていない市営、町営などの安易に循環する施設などより、まことにアッパレな姿勢を貫いていると言える。 |