木更津ソーラー取りつけオフの帰り、母娘二人だけなのをいいことに立ち寄った温泉銭湯。場所はなんと、大都会(?)池袋の一角。 以前からこの地に温泉があることはネットで知っていたが、なかなか行く機会がなかった。 池袋は我が家から車で30分ほどで行ける、もっとも近い「都会」。デパートでないと売っていない物が必要になると、必ず行くのが池袋東口の西武百貨店である。美容液などの基礎化粧品もすべて西武百貨店で買っている。 わたしたちは首都高速道路の早稲田インターを降りたところでこの温泉に行ってみることを思いたち、インターネットで検索してみた。すると、たった3キロの距離だということが判明し、寄ることにしたのだ。 場所は、ちょっとわかりにくい。周辺はマンションが多く立ち並ぶ住宅街で、一本向こうはちょっと寂しい商店街。都内ではこうした界隈に一歩立ち入ると、たちまち一方通行に阻まれて目的地に辿り着けないことが多い。 この西池袋3丁目も例に漏れず、周りの道路は一方通行ばかり。しかも、西武線の高架のあたりが工事のせいだろうか、ナビと道路状況が違っていた。 走っているうちに桃仙浴場からどんどん離れ、とうとうメトロポリタンホテル前の通りに出てしまった。そこから100mほど行くと池袋警察署と消防署のある十字路。さらに直っすぐ進むと長嶋茂雄氏の母校、立教大学である。このあたりは西武百貨店への行き帰りによく通る道路だ。 カーナビは、メトロポリタンホテル側とは逆の小路へと示していた。車通れるの? と思うくらい細い道を入っていき、住宅街を少し走って、めでたく目的地に到着することができた。 が、ななな〜んと、駐車場がないではありませんか。これは困った。こうなるといつもなら路上駐車するのだが、周辺は無余地駐車確実の狭い道路ばかり。さすがに東京である。しょうがないからグルリと一周して、さっき通り過ぎてきたコインパークに停めた。 そこから2区画ほど歩いて、ようやく桃仙浴場に辿り着いた。のれんをくぐって黄色いテント屋根の下を少し歩いた所にエントランスがある。 入ると、えっと思うような狭さだ。左右に下足入れがあるが、その間は大人二人がやっと通れるような窮屈さ。目の前がすぐ受付で、そこでお金を払う。券売機のようなハイテクなものはないのである。 そして、そのすぐ隣が浴室のドアだ。これまで色々銭湯には入ってきたが、ここまでコンパクトなのは初めて。さすがに東京である。 |
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脱衣所には旧式な合板のロッカーがずらりと並んでいた。 画像に映っていないがこの右側に階段があり、ロフトのような構造になっていた。上はドライヤーのある化粧コーナーだ。 下から見上げると、なんと美容院にあるようなオカマ付きの大型ドライヤーが置かれていた。カーラーを巻いて頭にすっぽり被せるタイプのアレである。 階段の造りなどはけっこうレトロな印象を受ける。後で知ったのだが、この銭湯は昭和30年代にできたものだそうだ。 |
ガラス越しに浴室を見ると、わりと空いているみたい。服をロッカーに押し込み、いそいそと浴室に入る。 シャワーはいかにも銭湯らしく、壁に固定されたタイプ。最近は慣れてきたが、やっぱり使いにくい。 しかもこの浴場の椅子はとても小さく、お人形のベッドくらいの低さである。しかも滑るので、ときどきお尻がころっと落ちてしまう。いや、わたしのお尻が大きいのではありませんよ、本当に椅子が小さいのです。 このタイプの緑色の椅子、確か石川県金沢市あたりの銭湯温泉で見たことがある。 あとで気がついたのだが、ロッカーの上に置かれた常連客の洗面器や洗面用具やらに混じって、なんと椅子までキープされていた。マイ洗面器を持ち込む人はよく見かけるが、マイ椅子というのは初めて。だが、それも納得と大きくうなずきたくなるような、備え付けの椅子のあんまりな小ささなのである。使っているうちに「えーい面倒くさっ!」となり、横にのけて床にぺったりと座りこんでしまったくらいだ。 |
さて、肝心のお湯の方であるが。 伊香保温泉みたいな茶褐色の濁り湯だ。東京というと黒湯のイメージだが、群馬みたいな茶色のお湯も沸くんだなあと感心してしまった。 さぞかし鉄臭いかと思いきや、意外と匂わない。張り紙には、「このお湯は含有率100パーセントの鉄鉱泉です」と書かれているのが、なんだか妙に不思議である。 液体の中身が100%その成分で締められていることなんて、ありえることなんだろうか。鉄分が100%含まれているということは、鉄の塊ってことじゃないの? でも、果汁100%ジュースっていうのもあるし、たぶんそう言いたかったのだろう。 壁についている蛇口をひねってみると、冷たい水が出てきた。一見無色透明のようだが、手のひらですくってよくよく観察してみると、うっすら黄色っぽい色がついている。洗面器に取ると、さらに茶色いことがよくわかる。どうやら蛇口から出ているのは源泉らしい。 ちょっと飲んでみたが、鉄の味もあまりしない。伊香保温泉には源泉を飲む飲泉所があるが、鉄っぽすぎて飲みにくい。だが、ここのお湯は見た目こそ伊香保そっくりだが、それよりかなり薄い感じだ。 別の張り紙には「泉質:鉱泉水、PH6.9、蒸発残留物175.8mg、フェロイオン6.8mg、メタ珪酸75.01mg」と書かれている。脱衣所にも受付にも温泉分析表はなく、これが判明している分析結果のすべてだ。 浴槽のお湯は沸かしだが、循環かどうかは判然としない。塩素の匂いはしないし、源泉そのままの特長が生かされていることから、ひどい循環濾過はしていない様子だ。 お湯は壁際に設けられた切り口から溢れ出し、排水口に吸い込まれていく。それが再利用されているかどうかわからないが、かなり程度の良いお湯使いである。 誰もいなかったら蛇口を全開にして掛け流しを楽しみたかったが、他のお客がいたのであまり源泉を出せずにいた。 |
源泉浴槽の隣りは普通の水を湧かしたジャグジーになっている。こちらは塩素臭いだけでなく、ちょっと生臭い匂いがした。 ちなみに壁にはタイルによるモザイクで壁画が描かれている。女湯の場合、湖の絵。だが、これが男湯になると、ちょっとリアルな裸婦画なんだそうだ。ちょっとちょっと、なんで女湯は湖の絵で、男湯は裸婦なわけー? 女湯もリアルな裸男像でもいいじゃないねー? ま、別に壁画はどうでもいいとして、ここは温泉としてなかなかいいんじゃなかろうか。機会を捉えて再訪したいと思っている温泉の一つである。 |
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