車から出るのも嫌になるようなどしゃ降りの中、車を走らせ乳頭温泉郷のもっとも奥に位置する黒湯温泉へ。非常に混むと聞かされていたので、この天候なら空いてるかも。という考えはさすがに甘かった。ここは筋金入りの人気温泉だったのだ。
駐車場はまったく空きスペースがなく、びっしりと車が停まっている。観光バスまで待機しており、これが秘湯? と目を疑いたくなるような光景である。 |
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履いていた靴下を脱ぎ、サンダル履きで車を出た。宿は坂を下りていったところにある。
下方に、かやぶき屋根の建物が霧に包まれてひっそりと建っているのが見える。思わず「Dash村か?」と思ったほど、それは農村的な風景だった。
※Dash村とは、日本テレビで放映中の「鉄腕!Dash」でTOKIOが開拓した村のこと。場所は福島県の里山のふもと、自ら田畑を耕し、かやぶきの家を移築し、自分たちで育てた作物を料理して食したりしている。 |
傘を差して宿へ向って降りていくが、けっこう急な坂道にへっぴり腰。ヒールのあるサンダルというのがいけなかった。
受付で料金を払い、夫と共にまず混浴内湯に向かった。脱衣所を覗いたら、まったくの男女混合スペース。しかも、混んでいる。「こりゃ無理だわ」と踵を返すわたしに夫が追いすがり、「もう誰もいなくなったから一緒に入ろう」と言ってくる。表で待ち合わせをしている若い女の子がそれを見て微笑み、「ここは無理ですよ。あっちに女性専用がありますよ」と教えてくれた。ここは若い層にも秘湯のようだ。 |
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| ここがその混浴内湯。 |
で、その外にある露天風呂。男性しか入っていなかったようだ。 |
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足元の悪い中、さらに下へと歩いていくと、長屋のような建物が軒を連ねた通りに出た。なんだか映画村に迷い込んだような錯覚すら覚える。
洗濯物が干されている様子から、湯治客が泊まる自炊かなにかの建物らしい。風情があって鄙び具合も満点だ。
建物のあいだを進むと、なおいっそう濃い霧に包まれた女湯の建物が見えてきた。裏手には茶色の濁流が流れる川と、小さな湯畑のような設備があった。そこから樋を伝ってお湯が浴室内へと運ばれていく。 |
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脱衣所はロッカーはなく、棚にある籠に脱いだものを入れるようになっている。白濁した濃そうなお湯が大きめの木の浴槽に満ち満ちている。
入浴客が途切れることなく入ってくるので、画像はこの一角だけ。使い込まれた木が黒ずんで光沢を放ち、なかなか趣のある浴室である。全体を取りたかっただけに残念だ。
雨に晒されていたにもかかわらず、お湯は結構熱い。ここへ来るまでに体が冷えているので、最初はすぐに浸かれない。ここは単純硫黄泉を使用しており、弱酸性。硫黄臭が強い。 |
ここには露天風呂も付いているが、こちらはわりと湯温が低い。傘を露天まで持っていって浸かっている人がいた。
お湯を軽く口に含んでみると、やや苦みのあるタマゴ味だ。 |
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お湯はよいのだが、人ばかりわさわさと多くてどうにも落ち着かない。人気の少ない平日などに来たら秘湯ムード満点で、さぞかしのんびりできるだろうと思う。一緒になった人が「昔は空いていたんだけどテレビで紹介されちゃったからね」と苦笑していた。
湯治部にでも宿泊してのんびり洗濯物などを干しながら、日々この硫黄泉に浸かる自分を想像して、ついうっとりしてしまった。いいなぁ。いつか泊まりに来たい・・・。(陶酔) |