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              網代温泉旅行日記その2
 お寿司屋さんを出てしばらく走ると、網代に着いた。すると135号線沿いに、干物屋さんがずらりと立ち並ぶ一帯がある。
 今年1月にトレーラーで来たときに立ち寄り、アジの干物などを買った場所だ。網代温泉街は、その干物屋街(?)の
 すぐそばの側道を入った所にあった。街並みは、熱海や伊東などに比べるとかなり小規模な雰囲気。
    

小さめのホテルや旅館が並ぶ一角に、今回わたしたちが泊まる網代観光ホテルはあった。名前から受ける印象とはちょっと違う、純和風旅館である。正面玄関は幹線道路から少し入った所にあるが、建物は海に面した135号線沿いに建っている。そばに専用駐車場がなく、100メートルほど離れた契約駐車場に車を置きに行かなければならないので、多少不便だ。でも、135号線沿いの側道にたくさんの車が停められているので、そこでも構わないかもしれない。
全館畳敷きで、ロビー、廊下とも新しい畳が敷き詰められている。純和風旅館とは言いながら、和服姿の女将が出迎
えるでもなく、制服の女性従業員が2階の一室に案内してくれる。20畳ほどの広い和室だ。
ふすまで仕切れば3部屋に分けることができ、大人3人、子ども2人には充分すぎるほどの広さ。お茶を飲むと、疲れ果てたパパがさっそく布団を敷いて横になってしまったので、お義母さんと娘を誘って温泉探索に出た。


                   




目指すは「湯の宿・平鶴」。インターネットで海際の露天風呂が気持ちいいとあったので、行ってみたかったのだ。
車に乗ってナビで検索するが、目標物が見つからず検索できないという。走りながら探してみると、なんということはない、駐車場
から道路を隔てて斜め向かいだった。これじゃあ歩いた方が早かった。
看板には「食事つき入浴1500円〜」とあるが、確か1,000円で入浴の
み可能のはずだ。駐車場に車を停めて中に入り、「お風呂だけいいです
か?」と尋ねる。
微妙な間ののち、受付の女性が「いま混んでるんですよ、夕方6時以降
に来てください」とあっさり言う。確かにロビーにはたくさんの人が往来してお
り、女性の言葉を裏付けていた。法事の会食らしき喪服の人々もいる。
わたしは入浴のみだから断られたんだな、と瞬時に思った。ここは磯料理
の店でもあるので、あまり利益の上がらない入浴客は混雑時には断られ
てしまうわけだ。
仕方ないので、海辺に行きたいという娘の希望を入れ、車で砂浜の近く
に移動。ちょうど「平鶴」の建物の裏側にまわりこんだ形だ。砂浜に降りる
と、「平鶴」の露天風呂がよく見える。
真ん中に仕切りがあり、右側には女性の姿が見える。なんだか小さなベ
ランダに裸の人が並んでいるようで、妙な感じだ。
距離は60メートルかそれ以上だろうか。100メートルはないと思う。顔は
はっきり識別できないが、性別・年代はわかる。こちらが見ている様子が入浴客からも見えるはずだから、覗きをしているようでバ
ツが悪い。しかも、さっきまで入ろうとしていたお風呂が浜辺から丸見えなわけで、お義母さんは「ええーあそこなの、嫌だわ〜」と
思いっきり苦笑い。わたしのような温泉マニアでもなく、もともと温泉慣れしていない人なので、「断られてもっけの幸い」って顔をし
てた。わたしは心中ひそかに「でもやっぱり入りたい・・・」と思いながらも口に出せずにいた。


まだ浜で遊びたいという娘を説得し、ホテルに帰る。とりあえず偵察がてら、ひとりで一階の浴室へ。清掃の直後らしく、お湯が7分目くらいしか入っていない。しかもとっても熱い。計ってみると、注ぎ口の湯溜まりで50度、浴槽の端で42度だった。最初は水で薄めないと入れないほどに熱く感じた。なぜだかわからないが、ここのお湯は温度以上に熱く感じる不思議なお湯なのだ。右の画像は翌日、掛け流しの状態で撮影したもの。草津などの熱い湯を歴訪してきて、結構熱い湯も時間をかければ入れる娘だが、結局腰までしか入れなかった。まぁ寒ければ我慢してでも入るだろうが、気温が暖かかったせいで無理をしなかったのかもしれない。塩化物泉なのでよく暖まり、長湯できない。5分前まで300メートルの地下で眠っていたというお湯は無色・無臭・透明。肌触りに特徴はなく、しょっぱいという他はまったく個性のないお湯。このあと入った「湯の宿・平鶴」のお湯の方が濃く感じた。だが自家源泉所有で、いっさい加水せず循環させていないという姿勢は素晴らしい。湯上り後の肌はすごくスベスベ、サラサラになるので、そこそこ”美人の湯”の資格はあるかもしれない。
   


露天風呂が併設されていないのが大きなマイナス点だ。
お湯が熱いだけに、露天風呂で涼みながらゆっくり入って
いたいのに。露天は有料貸切制で、一人1,000円。
宿泊料金を安く設定して、こういうところで調整している
のかもしれない。
それでも浴室には窓が大きく切り取られており、135号線
越しに海を見ることができる。
高さ1メートル弱の高さの畳敷きがあって、そこにちょこんと
座って涼むと気持ちがよかった。


     窓から見える海の情景(アップにしてあります)。
     松の木の向こうに白い灯台が見え、青い空には
     トビが舞っていた。さらに海の向こうには遥か房総
     半島も見える。 

 
  夕食は遅めの7時半にしてもらった。舟盛りのお刺身と、魚の揚げ物や煮物、お鍋などが運ばれてくる。驚くよなものはなか
  ったが、地元で上がった魚が中心とのことだ。皿数もほどほどで、不必要にいろいろ出てくることはない。5歳の娘は半額な
  ので、お子様ランチだった。遅めの昼ご飯が響いてか、娘はほとんど手をつけない。このお子様ランチはのちに、ビールのおつ
  まみとなりました。さあ食べた、食べた。いよいよさっき断られた露天風呂に行くぞ〜!
                           

 「平鶴」の露天風呂に主人とリベンジ。お義母さんはパス。
 こちらは男湯の露天風呂。右上に木の手すりが見えるが、
 その向こうが浜辺、そして海と続いている。
  こちらは女湯の露天。手すりがない代わりに、浴槽が非
  常に深い。身長160センチのわたしが膝立ちで座って、お
  湯が顎まで来る。                         
建物のつくりから見ると、この露天はあとから内湯の外に造
られたと想像できる。まぁ、昼間なら大海原の景観にごまか
されて、小さなベランダという印象も薄れるかもしれない。
夜は夜で神秘的なムードの暗い海を眺めながらの入浴も
またよし。「網代観光ホテル」同様、塩化ナトリウム泉なの
ですごく暖まる。海側のヘリに体育座りですわって涼んだが、
我ながら昼間ならできない大胆な行為だと思った。覗きが
浜辺にいたら・・・と思いつつ、こんな裸、誰も見んわいと開
き直って長いことくつろぐ。
 受付で9時まで出るよう言われているので、ぎりぎりまで粘って上がる。受付に声をかけて出ようとすると、浴衣姿のわたしたち
 を見て、受付の女性が「どちらにお泊りで?」と尋ねてくる。ホテルの名前を挙げると、「あそこは循環でしょう。うちは掛け流し
 ですよ」と言う。「いえ、掛け流しのはずですよ」と網代観光ホテルを弁護するも、24時間いつでも入れるということは循環の証
 拠だ、と強硬に言い張ってくる。かなわないので、早々に退散。
 ライバルの悪口を言う姿勢はいかがかと思うが、お湯が濃厚な印象を
 受けることは確か。網代観光ホテルは加水していないというが、いかん
 せん薄い。お湯では「平鶴」に軍配。
    ホテルに戻ってビールを飲んで一休みした後、再び内湯へ向かう。今度はお湯がなみなみと溢れていた。夜の11時過
    だというのに、2、3人の人が入れ替わり立ち代り入ってくる。だがお湯が熱くて、しかも涼む場所もないためか、みな一
    様に体を洗い終わると出て行ってしまう。くつろぎとは少々遠い風情の内湯だった。


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