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まさに鄙び系の極地、老松温泉 喜楽旅館。ここを教えてくれた人によると「まるでお化け屋敷。床が抜けそう」という評価だったが、そこまでひどそうな外観ではないようだ。
おじいさんが向かい母屋でテレビを観ており、入浴をお願いすると出てきて「はい、お一人500円ね」。 |
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玄関を開けると、いい感じに渋い階段になっていた。 |
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「床が抜けそう」という前評判に反して、階下は改修されたらしく新しい印象だった。そうとうボロっちいのを想像していたので、ちょっと拍子抜けである。
しかし、脱衣所に一歩足を踏み入れると、お世辞にも綺麗とは言えない状態。というか上の方なんか数年間掃除してないんじゃっ!?
まっ、いいかぁ。ここで寝るわけじゃなし。
さささっと服を脱ぎ、浴室へ。先客がいたので挨拶し、掛け湯してから浸かると、先客は入れかわるようにして出て行かれた。 |
浴室は期待を裏切らない、木がふんだんに使われた鄙びた風情。これぞ究極のワビさび、これぞ温泉といった趣である。鹿の湯源泉からほど近いロケーションにありながら、喜楽旅館は弱アルカリ性の独自源泉を所有している。鹿の湯源泉は酸性なので、これはちょっと不思議な現象だ。
ちなみに右の画像は男湯の浴槽。2つに分かれた手前側が40度以下のぬるめの湯で、窓側の方はやや熱めの湯になっている。光の加減か、窓側の方が緑色がかって見える。 |
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こちらは女湯。浴槽の縁に2つのコップが置かれていて、源泉のパイプも熱いのと冷泉とに分かれたものが4本ある。コックをひねると源泉が出てきて、自分好みの湯温に掛け流せる。
飲んでみると、やや苦みのあるタマゴ味。湯ざわりはキシキシした感じはなく、とても柔らかで肌がすべすべするようだ。硫黄泉というと酸性をイメージしがちだが、こういうアルカリ性のも稀に存在するんだなあと思った。
窓を開けると目の前に緑が茂っており、川の音も耳に心地よい。 |
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しかし、その先には閉鎖されたホテルの建物が立ち塞がっており、昼間はいいが夜はやや不気味なのではないだろうか。
窓側のお湯は熱めと書いたが、慣れるとさほどでもない。それもそのはず、老松温泉の源泉は30度と低温なのだ。湧かしているが加水・循環はしていない。
熱すぎるとリラックスできないが、この湯温はわたしの体にちょうど合っており、しかも大好きな乳白色の硫黄泉なので妙にのんびりしてしまった。 |
なかなか出る気になれず、窓越しに夫と「もうちょっと入ってていい〜?」と訊いてみる。やはり貸切状態の向こうから、「いいよ〜」という答えが返ってきた。
もうちょっとと言ったものの、あと30分くらいは浸かっていたいような和み系の湯だった。次に那須を訪れたときは絶対来るつもり。大変気に入りました。 |
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右が店番のおじさんがいた建物、左が温泉のある建物。左手前の屋根は道路と同じ高さでたいへん広く、その下が浴室となっているようだ。
で、この道をずっと進み、玄関の前を通り過ぎていくと・・・ |
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温泉のある建物の先端が、思わずぎゃーっと言いたくなるほど崩れ落ちていた。まるで爆撃にでもあったかのようである。部屋の中にはガラスケースに入ったままの日本人形が見える。
建て直す資金がないのだろうか。なんとももったいない有様である。
「喜楽旅館」という名の通り、ここは現在も旅館業を営み、湯治客もそこそこあるということである。今流行のネオジャパネスク様式にでも建て直してインターネットで宣伝したら、きっと人気の宿になるんじゃないかしらと思った。 |
| が、なまじ小綺麗になって観光客で一杯になるのも考えもの。こう言っては申し訳ないが、このまま寂れたお化け屋敷でいてくれた方が、わたしたち「鄙び湯マニア」にだけお湯を提供し続けてくれるに違いない。 |