■■■ウェスティン・リゾートグアム■■■ |
 |
子どもたちがダイビング講習を受けるPADIショップは、ウェスティン・リゾートグアムにあった。
ショップ選びはやまちゃんがmic21というダイビング機材販売店を通じて手配していてくれた。しかし、最初に選んだグアムのショップは安い代わりに講習の途中からというのは受けつけてくれなかった。
息子の性格上、最初の学科講習からやり直しさせるなんてことは無理な相談。そこで変更してもらい、最終的にこのウェスティンにある「トロピカルビーチハウス・グアム」に決まったのだった。 |
 |
ウェスティンはタモンビーチに位置する豪勢なホテルで、レオパレス21の所有だ。そのため、レオパレスリゾートの宿泊客はウェスティンホテルの施設も利用することができる。
もちろんビーチ前のプールも使い放題。プール遊びに来たわけじゃないのに、娘はルンルンである。
プールを通り抜けてビーチに出ると、そこに「トロピカルビーチハウス・グアム」(以下、TBHGと略)はあった。あいにくビーチハウスの外観は撮り忘れてしまったのだが、海で遊ぶユウキ君を撮った一枚にたまたま写っていた。
←これがその写真。一見するとただの浮き輪屋さんのようだが、屋台みたいなカウンターの背後にはダイビングショップの小さな建物があった。
ここでは浮き輪、ゴーグル、ライフジャケット、足こぎボートのレンタルの他、もちろんダイビングの体験、ライセンス講習、ガイド、ツアーもやっている。
わたしたちはショップの建物に入り、まずオーナーでありインストラクターでもある和田さんと講習についての打ち合わせを行った。
和田さんは50歳代後半くらいとお見受けする日本人男性で、元は英語教室の先生だったそうだ。 |
 |
得意の英語を生かし、比較的最近このショップを開いたという。
最初にまず息子の学科テストを行うものと思っていたが、それは最後にやることになった。娘の方は池袋の某ダイビングショップで学科講習と50問テストをクリアしてきており、残るは実地だけである。 |
打ち合わせを終え、ショップで借りたウェットスーツに着替えた子どもたち。
写真を撮ろうとしたら緊張で顔が強ばっており、「笑って!」と言ったらこんな苦笑いになってしまった。
ショップのオフィシャルサイトには実地講習はプール講習からと書いてあるのだが、和田先生は「海の方が暖かいので、プールではなく海でやりましょう」と言って、いきなり海での講習から開始することになった。 |
 |
ウェスティン前の海。透明度が高くて透き通っていて、とてもきれいだ。
残念だったのは、毎日雲が多くて抜けるような青空が見られなかったこと。
ところで当初、やまちゃんと息子との間で交わされた約束では、講習の間はやまちゃんが着き添うということだった。
しかし、和田先生は「最初の講習のうちは親御さんは側にいない方がいいです」と言い、やまちゃんにわたしたちと一緒にファンダイビングをしてくるよう勧めてきた。 |
 |
やまちゃんはもちろんうちのセガレの親ではないのだけど、実のパパが来ていない以上、父親替わりともいっていい存在だ。
わたしは息子に「やまちゃんいなくても大丈夫だよね?」と有無を言わせずうなずかせ、「でも、約束だから」と留まる覚悟のやまちゃんをファンダイブへと強引に連れ出すことになった。 |
 |
わたしたちが準備をしている間、ウェスティン・ビーチの浅瀬では和田先生の熱血指導?が始まっていた。これらはやまちゃんが撮影してくれたもの。
やまちゃんによると、先生はPADIのインストラクターとは思えない熱血漢だそうで、夕食の時などに先生の身振り手振を面白おかしく真似して見せて大いに笑わせてくれた。
わたしはPADIでライセンスを取っていないのでわからないのだけど、なんでもPADIのインストラクターはもっとソフトでやんわりしているのだとか。 |
 |
娘が鼻を指さしている。マスクに水が入っちゃった〜と言ってるのかしら。
このとき突然空が暗くなって、スコールがやってきた。わたしもグアムは二度目だからスコールがどんなものか知っているつもりだったが、海の向こうからカーテンのような雨が押し寄せてきて、見る見るうちに近づいてくる様子は驚きだった。
しばらくすると過ぎ去り、また青空が覗くという状態で、このときはしばし続く雨の中での講習となった。 |
 |
 |
 |
 |
| これは「疲労ダイバーの曳航」を習っているところかな。 |
 |
海の中でマスクを外す。
マスククリアの練習だろうか。
マスククリアとは、マスクの中に入った海水を鼻息で外に押し出すスキルの一つである。マスクのおでこ側を手で押して鼻の方に隙間を作り、そこから排出するのだ。
ダイビング講習では、海中でマスクを外して装着し直し、最後にマスククリア、という作業を必ずクリアしなくてはならない。かつてCカードを取得する際、コンタクトレンズ使用のわたしはこのマスククリアで苦労したものだ。 |
 |
 |
|
■■■ガンビーチ沖ファンダイビング Part1■■■ |
 |
一方、準備が整ったやまちゃん、メニーさんとわたしは、ウェスティン・ビーチからカヤックで漕ぎ出そうとしていた。
向かう先はガンビーチ沖のダイビング・スポットである。
ガンビーチはホテルニッコー・グアム前のビーチで、沖には珊瑚礁が広がる。講習を受ける子どもたちの後ろに写っている、斜めにカットされたデザインの白い建物がホテルニッコー・グアムだ。 |
 |
左の画像、海に突き出した岬の上にホテルニッコーが見える。
大戦中に設置された旧日本軍の大砲が残っていることから、その浜をガンビーチと呼ぶようになったという。 |
いざ出航。前がわたしで、後ろがダイビングショップ「TBHG」スタッフのジャックだ。
「TBHG」には和田先生の他に現地スタッフのジャック、そしてティノがいる。
ジャックとティノの会話はチャモロ語、和田先生とは英語である。2人とも日本語はほとんど話せない。
ちなみに、やまちゃんが「Do you know ”24”?」とジャックに訊いたら、「知らない」という答えが返ってきた。
アメリカ人インストラクターのデイブも知らないそうで、グアムでは「24」のDVDもレンタルしていないのだろうか。
(アメリカの「24」というドラマの主人公がジャック・バウアーという名前。アメリカ人で知らぬ者はないと言えるほど大ヒットしたドラマだ) |
 |
やまちゃん&メニーさん。
ところでユウキ君はというと、ウェスティン・ビーチでお留守番であった。スタッフのティノがシッターをしてくれるというので、砂遊びのバケツとシャベルを与えてきた。
おりこうなユウキ君なので一人でどこかに行ってしまうということはないと思うがママのメニーさんはやっぱり心配そうだ。 |
 |
せっせとパドルを漕いで、ガンビーチ沖に到着。
ホテルニッコーの岬を境にしてそこだけ波があり、越えるときにちょっとスリルを味わった。
沖に出てしまえば波はないが、それでもユラユラと不安定なカヤック上で準備をするのは至難の業だ。 |
 |
ホテルニッコーを背にして右に視線を転じると、恋人岬が見える。紺碧の海に突き出した垂直に近い絶壁はたいそう圧巻だ。
恋人岬はタモン湾の北端にある石灰岩の岬で、突端は海抜122メートルの断崖。スペイン人の船長と結婚させられそうになったチャモロ人の娘が、恋人とお互いの髪を結びあわせ、この絶壁から身を投げたという伝説が残っている。
伝説をモチーフにした「恋人たちの像」や「恋人たちの鐘」などがあり、展望台は朝8時から夜の7時までとなっている。 |
 |
わたしはカヤックから身一つで海に入った。ジャックが来てくれるのを待ってフィンを履いたり、BCジャケットを着せてもらったりウエイトを巻いてもらったりするわけなのだが、これは大失敗だった。
ジャックを待っているあいだ、いくら足をばたつかせてもマリンブーツを履いた足では推進力がない。
そのため、カヤックに掴まっていても溺れそうになった。
わたしはジャックがメニーさんの準備を終えて来てくれるまで、必死でカヤックにしがみついていた。
せめてフィンだけでも履いて飛びこむべきだった。溺れないまでも、呼吸が荒くなってマスクが曇る原因になったりする。
だが、いったん潜行するや、そこには伊豆とはまるで違う世界が広がっていて、グアムに来たことを心から嬉しく思った。
左はチョウチョウウオの一種、チョウハンの群れ。
下2枚はやまちゃんが撮ってくれたわたしのダイビング姿。 |
 |
 |
 |
 |
これはシカクナマコ。グアムの海ではいたるところに白や黒のナマコが数多く見られる。
食用として売り出したらどうかと思うくらいのナマコ大国だ。かつてOLだった頃、友人をグアム旅行に誘ったら「ナマコが多いから嫌!」と、却下されたことがあるだけに妙に感慨深い。 |
 |
これはアオヒトデ。けっこうカワイイ。英名は「ブルー・スターフィッシュ」。
死んだ有機物を食べて砂を浄化する、海のお掃除屋さん。グアムではしばしば見ることができる。 |
 |
ところで、このガンビーチ沖では運がいいとウミガメが見られるとのことだった。
ダイビング中、ガイド役のジャックが突然前方を指さした。なんだろうと思って指の先を見るが、何も見えない。
それでもとりあえずカメラを向けてみる。
実はカメが岩の上で休んでいたのだが、わたしはそれが動くまでカメとわからなかった。
画像に付けた白い矢印の先がカメである。
わたしたちの存在に気づいたか、カメはすぐに岩から離れて遠ざかり始めた。
この段階でわたしは初めてカメだとわかり、再びシャッターを切った。
←この画像はいくらかわかりやすいだろうか。
ハワイのワイキキ湾のカメはダイバー慣れしており、向こうから近寄ってくる。甲羅を掴んだらガイドさんに「駄目」と×のサインを出されてしまったが、それくらい人間を恐れないのだ。
グアムのカメが人間の気配にスタコラ逃げてしまったので、ハワイのカメを思い出してガッカリしてしまった。 |
 |
 |
海底をくるりと回って引き返す途中、念願のクマノミ発見。生まれて初めて見ることができて、もう大感激である。
グアムではダスキー・アネモネフィッシュという亜種が多く見られるそうだが、これは西部太平洋に多く見られる一般的な、ただの「クマノミ」のようだった。
映画「ファインディング・ニモ」で一躍有名になったカクレクマノミはもっとオレンジ色で、丸い胸ビレや尾ビレがかわいらしい。
残念ながらカクレクマノミはここグアムでは珍しく、あまり見られないとのことだった。
それでもクマノミとの初対面に思わず大興奮。嬉しくて、たくさんの写真を撮りまくった。
クマノミがイソギンチャクの中で生活することはよく知られている。
イソギンチャクは「シー・アネモネ」という英名が付いており、あたかも植物のように扱われがちだが、実は肉食の無脊椎動物である。他の魚がイソギンチャクの触手に触れると刺胞に刺されてしまうが、クマノミの体表から出る粘液はイソギンチャクと同質のため影響を受けない。
クマノミはイソギンチャクに隠れ住むことによって、捕食者から身を守っているのである。 |
 |
メスが産んだ数百個の卵をオスが守り、夫婦共同で育児をする子煩悩だ。
この夫婦にも子どもがいたが、白っぽい色で見つけにくい。意外なことに白いイソギンチャクに似た体が保護色になっているのだ。
しかし、数百個の卵が生まれたはずなのに、子どもの姿は一匹か二匹くらいしか見られなかった。
自然界は厳しい。 |
 |
やまちゃんが水族館で撮影したカクレクマノミ。
うーん、カワイイ! いつか生で見たい。 |
 |
やまちゃんのカメラで撮ってもらった一枚。
やまちゃん、メニーさんとわたし。 |
 |
楽しかったファンダイビングもあっという間に30分が過ぎ、エキジットすることになった。
あああー、楽しかった!
グアムの海は透明度もよいし、なにより暖かくてノーストレス。しかもエントリーが楽ちんなので、ぜんぜん疲れないのだ。
1日3本、いや、4本だって潜れる! と、どこまでも貪欲な気分にさせてくれるグアムの海であった。 |