(滞在6日目)

フィッシュアイ
 デビッドのピックアップトラックの鍵がようやく開いて、わたしたちはフィッシュアイへと移動した。
 ここにやってくるのも3回目。
 水の透明度はガンビーチ沖の方が優れているが、こちらは魚が多くてフレンドリー。非常に楽しいポイントだ。
 わたしたちが駐車場でダイビングの準備をしていると、年配の女性の集団がぞろぞろとフィッシュアイから出てきた。
 アジア人であるが、一目で日本人ではないとわかる大昔のパーマヘア、派手な色合いの服にサングラス。
 さらに、みんなしてガムを噛んでいるところが日本人とは違う。おそらく中国か台湾からの観光客だろう。
 おばさまたちは物珍しそうにわたしたちダイバーを眺め、バスに乗りこんで去っていった。
 準備が完了し、いざ海へ。
 このポイントの唯一の難点が、桟橋に沿って歩く距離が少々長いことだ。石ころにつまずき、急な段差でコケル。
 次第に歩くのが面倒になって、泳いじゃえ〜と、レギュをくわえて無理矢理にエントリーした。
 ←「行ってきまーす」と、桟橋に向かってピース。
 デビッドとやまちゃん。
 今回は参加した娘に、ジャックがBCジャケットを着せてくれているところ。
 いよいよ潜航。娘もデビッドとしっかり手を繋いで。
 この頃になると耳抜きもうまくできるようになって、なかなか上達してきたようだ。
 しかし、まるでカエルの水死体が引っ張られているようなダイビング姿勢は相変わらずである。
 
 透明度が悪いのでわかりづらいが、以前紹介したシーウォーカーを体験する人たちの姿が見えてきた。
 みな水着姿で空気が送られてくるヘルメットを被り、海底に膝をついて餌づけをしている。
 「ビキニのお姉さんだぁ♪」と、やまちゃん大喜び。
 このあたりは餌づけがあるため、チョウチョウウオやハタタテダイなどの姿がたくさん見られる。
 初めて見た、「オジサン」という名前のヒメジ科の魚。英語の名前は「ゴートフィッシュ」、つまりヤギ魚だ。
 顎に長い髭があるためオジサンにされたりヤギにされたりするわけだが、白っぽくなったり紫色になったり色彩を変えることもある魚だ。
 カンモンハタ。いつもサンゴの上でじっとしていることが多い。
 海のトランペット、ヘラヤガラ。
 ポケットからパンを出して餌づけを始めるや、集まる集まる、チョウチョウウオが大集合。
 綺麗で可愛いチョウチョウウオは海のアイドルと言っても過言ではないだろう。
 もちろんクマノミもわたしにとっては最大のアイドルだ。クマノミを見ているだけで1時間は優に過ごせるだろう。
 しかし、それでエア切れを起こして亡くなるという死亡事例もあるそうなので、要注意だ。
 (mic21のブックコーナーで「海で死なないための安全マニュアル100」を立ち読みしていたら、クマノミに見とれていて死亡した女性ダイバーの事例が載っていた。やっぱり女性はクマノミが大好きなのねっ)
 ところで潜っているとき、いつもとは違う「ちーっ」という音が耳に伝わってきていた。
 浮上してみて初めて、わたしは音の発生源と理由を知った。
 雨が降っていたのである。
 「ちーっ」というのは海面が雨で叩かれ発生した音が水を伝って、そう聞こえているのだった。
 日差しが届かなくなり、外はちょっと寒くなっていた。むしろ海の中の方が暖かいくらいだ。
 温水シャワーがあればいいのだが、あいにくここには水のシャワーしか設備がない。いやしかし、常夏の島グアムでこんなに寒い思いをするとは。
 伊豆のエントリーポイントにはお湯の入ったバスタブが置かれてあって、暖をとることができる。非常にありがたいし、きわめて日本でもある。
 装備を置いたあと寒くてたまらなくなり、わたしは海に入って暖をとった。
フィッシュアイ2本目
 2本目は雨の中でのエントリーとなった。
 晴天時よりは海も多少濁っているようだが、潜ってしまえばあまり気にならなくなる。
 
 クラゲをついばむチョウチョウウオ。
 クマノミに触れ、娘にも「ほら触ってごらん」と、薦めるデビッド。PADIの教本には野生動物に触れないようにって書いてあるんだけど・・・。
 まあ、突き詰めれば餌づけ自体よくないことだと言えるし、さらに突き詰めてしまえば、スキューバ・ダイビング自体自然破壊だと叫ぶ人も世の中には存在するかもしれない。
 しかし、ダイビングでは釣りのように魚を殺さない。海の中の生物を生きたまま見て楽しむのがスキューバの魅力だ。
 ダイビングして餌づけしてちょっと触れることは、許容範囲だろうと思う。
 一方、こちらはフィッシュアイからメニーさんが撮影した画像。
 窓の外のイソギンチャクとクマノミだ。
 窓の外のデビッドと、うちの娘。ソーセージをもらうところのようだ。
 ユウキ君と、窓の外のパパ。左下はゴマチョウチョウウオにソーセージをあげるわたし。
 
 ↓左上からセガレ、デビッド、娘、わたし。
 
 そこかしこから顔を見せるクマノミと、名称不明の赤いお魚。この赤い魚を見ていたらキンメダイの煮付けを連想してしまったのは、食い意地が張っているせいだろうか。
 デビッドが追いかけてひょいと掴まえたら、ぷうっと大きくなってしまったフグ。本人はきっと恐くてしょうがないんだろうけど、とってもユーモラスで可愛い。でもゴメンねー。
 正面から見ると、まるでヒヨコまんじゅうみたいだ。
 最後はもちろん離してあげたよ。バイバイ。怖がらせてごめんね。
 ソーセージに群がるチョウチョウウオ。昨日の教訓を生かして、今日はグローブをはめた方の手であげました。
 さて、楽しかった海中散歩もこれでおしまい。今日一日で3本も潜ることができた。寒かったけど、これには大満足だ。
 ここでの楽しいダイビングの日々が今日で終わりと思うと、とても名残惜しい。
 次にまたグアムに来られる日まで、さようなら。
 
 海から上がってきたメニーさんとセガレ。
 ほら、いい笑顔。
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