3日目 ヴェルサイユ宮殿1日観光 Part1
 大変済みません。ヴェルサイユ宮殿観光をご紹介する前に、準備編などの前振りが異常に長くなっています。記憶の記録のため時系列で書いておりますので、旅行記が全部仕上がったら、そのうち別の準備ページに移動します。
 
  ヴェルサイユ行きのファルフェを買う
 旅程前半のメインイベント、ヴェルサイユ宮殿観光。あとから回想するにつけ、メインイベントは宮殿の方ではなくて、電車に乗るって方だったように思う。
 
 外国で電車に乗った経験など、わたしには皆無。そういうのが面倒だからこそ、高いと文句を言いつつオプショナルツアーに参加してきたのである。
 だが、「フランス・ツーリズム旅行情報局」(通称ふらつー)の豊富な情報に助けられ、こんなわたしでも電車で行ってみようかという気になった。
 
 「ふらつー」によると、ミュゼ・デュ・オルセー駅(オルセー美術館の地下にある駅)からRER(エール・ウー・エール)のC線に乗って、ヴェルサイユまで一本で行けるとのこと。
 しかも、乗車券とヴェルサイユ宮殿1日優待パスポートがひとつになった、ファルフェ券なるものも販売されているという。(Forfait Chateau de Versailles ファルフェ・シャトー・ドゥ・ヴェルサイユ)
 
 RER-C線はメトロではなく、国鉄(SNCF)とパリ市交通公団(RATP)の共同運行によるもの。初日のガイドさんに、危ないからやめておいた方がいいと忠告(?)されたにもかかわらず、自らの運の強さを信じることにする。
 
 前日、オルセー美術館を出たあと、ファルフェ券を買うため下見も兼ねて地下に降りてみた。
 エスカレータを降りた所に「SNCF」と書かれたオフィスがあったので、ここで買えるだろうと思って中に入る。ヴェルサイユ宮殿の公式サイトでも「SNCF」の窓口で買えると書いてある。
 雰囲気としては、JRの「みどりの窓口」か旅行会社の予約カウンターのような感じ。順番待ちの整理券を発行する機械から、番号札を取って待つようになっている。
 わたしの番号は77番。電光掲示板に表示されている現在の番号は69番。待合い席で待つ人間の数より、番号上の待ち人数の方がずっと多い。
 
 カウンターでは端末を使って、なにかの予約を取っているようだった。ホテルや長距離列車の予約だろうか。作業が非常に遅く、海外旅行の手配並みにのんびりとした雰囲気だ。
 この様子では、順番が回ってくるのは1時間後に違いない。
 もしもさんざん待った挙げ句、「ファルフェ? ここでは扱ってません」なんて言われたら、のけぞって憤死しちゃうかも。
 
 そこで、わたしはカウンターに近づき、タイミングを計って接客中の職員に訊いてみた。
 「Excusez-moi,madame,(最初はフランス語で、あとは英語で),Do you have a Forfait?」
 「Forfait」の発音がまずくて、すぐには理解されない。付け足すように「Chateau de Versailles・・・」と言ったら、すぐにわかってもらえたようだ。
 女性からは、「ここにはありません。下のRERの窓口で買えますよ」という答えが英語で返ってきた。感動のあまり鳥肌が立った。勇気を奮い起こして訊いてよかった。
 
 わたしは椅子に座りこんでいた娘を促し、さらに階下へと向かった。
 窓口はすぐに見つかった。透明プラスティックで仕切られた、日本の鉄道でもよくあるタイプの窓口だ。
 何人か並んでいたので、最後尾に並ぶ。わたしのすぐ前は日本人カップルだった。
 日本人男性がわたしに気づき、話しかけてきた。
 「この線でエッフェル塔に行けますかね?」
 わたしはバスで観光地めぐりしているので、わからないと答えた。バス路線図のプリントを見せながら、「バスなら街並みを見ながら移動するので降りるところもわかりやすいし、間違ってもすぐに気づいて降りられる」と説明すると、男性は、「ああ、しまった。その手があったか」と悔しがっていた。
 それでも当初の予定を変えるつもりはなかったらしく、女性に促されてエッフェル塔行きのチケットを買っていた。
 
 次にわたしの番が来た。
 窓口の男性に、わたしは「Forfait, s'il vous plait」と言った。発音がよほど悪いのか、またまた通じない。先ほどと同様、「Chateau de Versailles・・・」と続けたら、「お〜、ファルフェね、ファルフェ!」と発音を訂正されてしまった。
 そうか、どこでも「フォルフェ」と言ってたから、通じなかったのね。「ファルフェ」というのが正しい発音なんだあああ。(恥っ)
 
 通じついでに、わたしはフランス語でプリントした1枚の紙を見せた。それは、「ミュゼ・ドルセー駅からヴェルサイユ・リヴ・ゴーシェ間の子ども用往復チケットをください」を翻訳ソフトでフランス語に直し、印刷したものだった。
 ヴェルサイユ宮殿は子どもは無料で入れるので、ファルフェは必要ない。そこで、鉄道の往復チケットだけ買っておくつもりだったのである。
 
 窓口のおじさん、おもむろに老眼鏡を取り出し、溜息をつきながら文字を読む。
 わたしはそれに「Tomorrow ticket, s'il vous plait」と口頭で付け加え、「明日の券をお願い」ということを伝えたら、どうやらわかってもらえたようだ。
 おじさん、「つまり、ミュゼ・ドルセー駅からヴェルサイユ・リヴ・ゴーシェの間の子ども用往復チケットとファルフェを一枚ずつ、買いたいって言うんだね? 明日だね?」とジェスチャーを交えて再確認してきた。
 わたしがそう、そう、とうなずくと、了解したというように顎を引く。
 なぜか紙をきっちり四つ折りにして返してくると(この仕草がとってもユーモアたっぷりなのだ)、ファルフェを示しながら「これが、あなたのヴェルサイユ1日パスポートと列車のチケット。これが子どもの鉄道チケット、これが行きで、これが帰り」と説明しつつ、チケットをケースに入れて渡してくれた。
 
 おじさん、理解してくれてありがとう。わたしは「Merci,monsieur」と礼を言って、その場を離れた。
 ↑これがオルセー駅で買ったファルフェと子ども用往復チケット。紫色のチケットのうち、一番上が宮殿1日パスポート。これで、ヴェルサイユ宮殿の正殿、居殿、グラン・トリアノン、プチ・トリアノン、庭園も含めたほぼすべてを見学でき、音声ガイドの無料レンタルができる。その下がファルフェに含まれる鉄道のチケット、下2枚が子どもの往復チケットである。
詳しくは「ヴェルサイユ宮殿の日本語公式サイト」をご覧下さい。また、フランス国有鉄道SNCFのサイトでも紹介されています。
 ファルフェはビニールのケースになっており、中を開いてチケットを入れられるようになっている。料金は、21.15ユーロ。子どもの往復チケットはいくらだったのか、いまレシートを探して確認中。
 
  ヴェルサイユ宮殿の基本料金
 ファルフェを持っていると、以下のすべてが無料となる。
施設名 バラ買いチケット料金 カルトミュゼ
ヴェルサイユ宮殿(グラン・アパルトマン、フランス歴史美術館、馬車博物館) ・18歳以上:8ユーロ(15時30分以降と日曜日は6ユーロ)
・児童、生徒、18歳未満、身障者は無料
無料。オーディオガイドは有料。
王の寝室(la Chambre du Roi)、オーディガイドコース ・18歳以上:4.5ユーロ
・10歳未満:無料
(日本語オーディオガイド無料)
有料。オーディオガイドは無料。
グラン・トリアノンとプチ・トリアノン ・18歳以上:5ユーロ(15時30分以降は3ユーロ)
・児童、生徒、18才未満、身障者は無料
無料
庭園 ◇11月1日〜3月31日:無料
◇4月1日〜10月30日の音楽と水の祭典開催日
 ・大人:6ユーロ
 ・11〜17歳:4.5ユーロ、
 ・9歳以下:無料
音楽と水の祭典開催日は有料

■チケットのバラ買いだと、上記の料金がその都度必要となる。正殿のチケット売り場は並ぶので、入場券だけでもあらかじめ買っておくとよい。
 なお、ルイ15世の王女の居殿は1日パスポート保持者のみ入ることができ、バラ売りチケット、カルト・ミュゼでは入場不可。
 
■パリからヴェルサイユ宮殿へのアクセスについては、ヴェルサイユ宮殿公式サイトのこちらのページに載っている。


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