ノートル・ダム寺院
 セーヌ川の中州・シテ島に立つ、聖母マリア信仰の寺院。「ノートルダム」は「我らが貴婦人」という意味で、同じ名の寺院はパリだけでなく、シャルトル、ストラスブール、ルーアン(ジャンヌ・ダルクが火あぶりにあった古都)など各所に存在する。
 中世ゴシックの結晶といわれるこの建物は、1163年に着工し、約170年の歳月をかけて完成した。 
 ヘンリー6世やナポレオン・ボナパルト、シャルル10世などの戴冠式がここで行われた。
 正面には3つの入り口があり、左から「聖母マリアの門」、「最後の審判の門」、「聖アンナの門」となっている。
 中央の「最後の審判の門」の下の段は復活を、中断は死者の魂を裁き選ばれたものは天国へ、見放された者は地獄に堕ちる、という場面を描いている。最上階は裁判を行うキリストを表わしている。従来のロマネスク様式の平面的な造りに比べ、ゴシック様式の彫刻はきわめて立体的で臨場感がある。
 この寺院の南塔には、「ノートルダムの鐘」のカジモドが鳴らした鐘があるという。寺院正面の左手に塔へ上るエレベータがあるが、大変な長蛇の列をなしていた。
 これは寺院の側面の出入り口のアーチ。ここにも精密なレリーフが。
 
聖堂内は、奥行き約130m、幅48m、高さは一番高い所で約35mという壮大なもの。
聖堂正面の内陣。十字架の下に「ピエタ」と呼ばれる、キリストの亡骸を抱いて悲しむマリアの像がある。  ひときわ目を引く美しいステンドグラス。
 当時の思想のひとつに、神を光として崇めるという考えがあった。窓をできるだけ大きくして光を取り入れ、神に触れたい。だが、窓を大きく取ると、壁の強度が保たれない。モン・サン・ミッシェルの修道院でも、部屋を造っては崩れ、造り直しては崩れる、ということを繰り返しながら、ついに考え出されたのが「板張りヴォールト」という工法と、フライング・バットレスと呼ばれる外側から飛梁によって屋根を支える工法によって、窓を大きく取れるようになったのである。
 これらのステンドグラスは、多くの光を取り入れ、神に触れたいという意向の現われなのである。
 左は、「南のバラ窓」と呼ばれるステンドグラス。寺院に向かって右側の側面の窓である。
 13世紀のオリジナルが一部残っている、貴重なステンドグラスだ。12人の使徒に囲まれたキリストの姿が描かれている。直径は13m。
 上の2枚は、「北のバラ窓」。旧約聖書の登場人物に囲まれている聖母マリアを表現したもの。北窓で十分な日光が望めないため、光の通りやすい青みがかった模様に工夫されている。
 左の画像はそのバラ窓を外から見たところ。繊細なレースのようなバラ窓は、中から見ても外から見ても美しい。
 かつて観たディズニーアニメの舞台ともなった寺院だけあって、非常に混雑していた。塔の上に登れなかったのが惜しまれる。カルト・ミュゼをもってしても列の先頭に行けなかったのが残念だ。
 ちなみに寺院内には宝物館もあるが、カルト・ミュゼでは入れないという表示が窓口にしっかり貼ってあった。

 寺院の側面の壁。



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