| ■さようなら、パリ |
今日は、3泊したノルマンディ・ホテルを引き払い、いよいよフォンテーヌブローへと移動する日である。フォンテーヌブローでは1泊する予定だが、その前にディズニーランド・パリに立ち寄って半日遊ぶつもりだ。
荷物をまとめ、部屋に義母と娘を待機させておいて、わたしはチェックアウト手続き。1階に降り、フロントで「チェックアウトお願いします」と言う。
そして、「部屋にある荷物をピックアップしてください」と頼んだ。義母にはチップを預けてあり、ポーターが荷物を取りに来たら渡すよう頼んである。
さらにライティングデスクには別に10ユーロのチップを置いてきた。
義母の壊れたスーツケースを部屋に置き去りにするため、お詫びと処理代を込みにした金額が10ユーロというわけである。
さて、フロントでは明細書が出された。
金額は574ユーロ。朝ご飯のビュッフェを含んだ一泊料金は185ユーロだ。それにミニバーの飲み物代を含めた額が、日本円にして約9万5千円という金額になった。
明細書をざっと見て、いよいよ支払い。わたしは「このカードで支払いできるか?」と、JCBカードをフロントに差し出した。
VISAのついたセゾンカードはすられた財布の中に入っていたため、別の財布に入れておいたJCBが残されたというわけだ。
フロントの女性は、「やってみます」と言って、カードを機械に通した。
だが、通らなかったようで、「やっぱり使えない」と返してきた。普通は機械に通す前に「これはうちでは扱ってません」とか言うもんだと思うが・・・。
それにしても、パリのホテルでJCBが使えないとは。
もう一枚、ダイエーのOMCカードが手元にあったが、これもやっぱりJCBだった。しょうがないなあ、VISAがないとどうにもならないというのに。
仕方がないので、義母にVISAカードを借りることにした。
やがて、義母と娘がエレベータで降りてきた。別のところからはわたしたちの荷物を携えたポーターも現れた。
わたしは義母にVISAカードを貸してくださいと頼んだ。
実を言うと、この先のすべてのホテルでJCBは使えず、レストランや土産物屋さんでも義母のVISAカードを借りっぱなしだった。
やはり海外で強いのはVISAとアメックス。帰国したらぜひとももう一枚、VISAを作らなくては。 |
無事支払いを済ませると、わたしたちは連れだってピラミッド地下駐車場に向かった。
で、ここがさしもの剛胆な(?)わたしも恐れをなした地下の駐車場である。
恐いから義母と娘にも一緒に来てもらい、車を出してホテルに戻った。荷物はクロークに預け、キープしててもらってある。
3日ぶりに再会したプジョーくん、盗難や車上狙いに遭ってやしないかとずいぶん心配したが、幸いにして無傷だった。 |
 |
ホテルの前に横付けして荷物を積みこむ。ポーターさんがトランクに詰めこむのを手伝ってくれた。
さあ、いざパリを出発。
ダッシュボードにとりつけたカーナビ「ネバー・ロスト」にディズニーランドの住所を入力し、パリ郊外を東へと走る。
この「ネバー・ロスト」、日本の優秀なカーナビに比べると「どっこがネバー・ロストだいっ!」と文句をつけたくなるような頼りなさ。でも、わたしたちにとっては唯一の命綱である。
それに、慣れてくるとだんだん「こいつもなかなかなやるじゃん」って印象にもなってくるから不思議だ。
正確な住所を打ち込まないと目的地が設定できないという難点はあるが、たいていの観光地の住所はガイドブックに載っているし、ホテルの住所はプリントアウトしてきたバウチャーにある。
それに、このナビの偉いところは、ヘンな下道を選ばないことだ。
どういうことかというと、わたしのパソコン・カーナビにインストールされている「Auto Route2006」はあくまでも直線に徹し、ありえないような下道を示してくる。
一方、「ネバー・ロスト」はルート設定の時、「Most usefull route」を選択すれば最も一般的なルートを出してくれる。
少々遠回りをしてでも、早く到着できるのならば高速道路を使うのが一般的な走り方だ。その芸当が「Auto
Route2006」はできないのである。 |
| ■ディズニーランド・パリへ |
ディズニーランド・パリはホテルから約45キロほどのところにある。
名前はディズニーランド・パリだが、そこはもうパリではない。イル・ド・フランスにある「SEINE-ET-MARNE」というところに位置している。
東京ディズニーランドが千葉県にあるにも関わらず、無理矢理「東京ディズニーランド」というのとまったく一緒である。
だが、さらに正確に言うと、正式な名称はただの「ディズニーランド」だ。
開園は1992年。世界で4番目の地域にできたディズニーランドで、当初は「ユーロディズニーランド」という名称だった。ヨーロッパで唯一のディズニーランドである。
1994年、「ディズニーランド・パリ」と改称され、さらに現在は「ディズニーランド」に改称されている。
さて、パリ郊外に出たわたしたちのレンタカーは、「ネバー・ロスト」に導かれて高速道路をひた走る。
フランスという国は、首都パリを離れれば牧草地の広がる酪農国家である。高速道路の左右にはなだらかな緑地が広がり、眠気を催すのどかな風景が広がる。
助手席の義母は、パリを出るなりたちまち寝入ってしまった。もっとも、起きていたところでカーナビの画面も読めないため、助手としてはあまり期待が持てない。
後部座席の娘は、それよりは遙かに役に立つ。道路が2本平行するような分岐点では、右とか左とか指示をくれるので、ちょっぴり心強かった。
しかし、酔い止めの薬を服用していたため、やっぱり郊外に出るとすぐに眠ってしまった。
酔い止めを飲ませたのは、昨年の教訓からである。お陰で最終日まで車酔いは起こさなかったものの、すぐに眠くなってしまうのは厄介だった。
2人とも眠ってしまった車内で、わたしは孤軍奮闘を強いられていた。
昨年はわかりづらいお手製カーナビのせいでさんざん道を間違え、とんでもない下道を走らされた。そんな轍は二度と踏みたくない。
そう思って身構えていたが、やがて道路標識に「パリ・ディズニーランド」という文字が現れた。標識は何度も何度も現れ、そのうち拍子抜けするほどあっけなく目的地に到着した。 |
 |
ホテルを出発したのが8時半、ディズニーランドのゲートに到着したのは9時24分だった。
一時間足らずの走行、しかもパリ市内で一度道を間違えてUターンした他は迷うことなく無事に到着した。
これには心底ホッとすると同時に驚いた。
この「ネバー・ロスト」、いまいち頼りないと思っていたが、意外に優秀じゃない。 |
 |
ゲートがみるみる近づいてくる。さあ着いたよ、と娘を起こす。
娘は無邪気に「わあ、ディズニーランドだ!」と喜びの声をあげた。
わたしも泣きたいくらい嬉しいよ。迷わず、ちゃんと到着できたんだから。
ちなみに、東京ディズニーランド(以下、TDL)以外のディズニーランドに来るのは20年ぶりのこと。新婚旅行でロサンゼルス郊外にあるディズニーランドに行って以来のことである。
娘にとってはもちろん、初の海外ディズニーランドとなる。 |
| ■ディズニーランド・リゾート・パリ |
 |
駐車場のゲートで駐車料金を支払うという点は、TDLとまったく一緒である。
料金ブースのお兄さんの愛想のよさも、フランス人とは思えぬ陽気さ。さすがはディズニーランドだ。
駐車場に入ると係員が誘導して指定の場所に停めさせる点も同じ。
白線内に頭から入れて停め、車を降りる。
とある個人サイトには、「日本みたいなマニアックな客は少ないので、みな昼近くになってぼちぼちやってくる」ようなことが書かれてあった。
実のところパーク内は大行列をなすほどの混雑だったのだが、この場の雰囲気はなんとものんびりとしたものであった。
屋根のついた通路を歩き、空港にあるような移動通路を3つほど乗り継いで、入り口へと向かう。
これがもう呆れるほど遠くて、足を捻挫しているわたしには非常に辛い行程だった。なんだってこんなに遠いところに駐車場を作ったのだろう。 |
 |
 |
とにかくひたすら延々歩いて、ようやく到着したのは「ディズニービレッジ」。ディズニー・ストアをはじめショップ、レストラン、バー、ディスコ、映画館など深夜まで遊べるスポットがあるそうだ。
さらに別に「ウォルト・ディズニー・スタジオ」というパークや7つの直営ホテル群などもあって、たいへん広大な敷地を有する一大リゾートとなっている。 |
| ■ディズニーランド・パリ |
 |
ビレッジからもうんざりするほど歩く。
やがて、ようやくディズニーランドの入り口とおぼしき建物が見えてきた。
このリゾートを設計した奴を引っ張りだしてきて、小一時間ほど問い詰めたい心境だった。
駐車場からこんなに歩かないとゲートに到着しないなんて、絶対に絶対に設計ミスだ。 |
チケット売り場に到着した。日本の係員と違い、作業が非常に遅い。前の夫婦と何事かぐだぐだと会話し、質問に答えてチケットを販売し終えるまで、日本のチケット販売の3倍は時間がかかっていた気がする。
さて、ようやくわたしたちの番が来た。
フランス語で「ボンジュール」と挨拶し、英語で「子ども用のパスを一枚ください」と告げる。
なぜ子ども一枚だけかというと、ANAのキャンペーンに当選して、大人2枚分のパスを持っていたからである。 この当選がラッキーだったのか、はたまたアン・ラッキーだったのかは複雑なところである。
わたしはディズニーランド・ファンではあるが、チケットが当たっていなければフランスに来てまでディズニーランドに行こうとは思わなかったに違い。
それが、なまじパスを手に入れてしまったために、じゃあ半日だけでも行ってみるか。という気になってしまった。
セーヌ河の観光船のところでも書いたように、タダでもらった券を使わないと損をしたような気になる貧乏性なのだ、わたしは。 |
 |
機械にパスを入れ、バーをくるりと回転させて通過し、半券を取ってパークに入る。 |
 |
背後の建物は「メインストリートUSA」。いわばメインアーケードで、TDLのワールドバザールにあたる。
夢の世界への入り口にしては、さても地味な建物である。 |
 |
建物を抜けると、ずらりとギフトショップが建ち並ぶメインストリートに出た。
突きあたりには、パークのメインシンボル「スリーピング・ビューティ・キャッスル」がそびえ立つ。日本語にしたら「眠れる森の美女の城」だ。
TDLではシンデレラ城だが、こことロスの本家ディズニーランド、香港ディズニーランドは「スリーピング・ビューティ・キャッスル」なのである。 |
 |
入り口でもらった園内マップ。数カ国語のものが置かれていたが日本語のはなかったので、英語のマップを手にパークを歩く。
メインストリートから時計回りにフロンティア・ランド、アドベンチャー・ランド、ファンタジーランド、ディスカバリー・ランドとなっている。名前が微妙に違っているものの(TDLはアドベンチャー・ランド、ウェスタン・ランド、クリッターカントリー、ファンタジー・ランド、トゥーンタウン、トゥモローランド)、その内容と位置関係はほぼ同じである。 |
▼▲▼▲▼▲▼ スリーピング・ビューティ・キャッスル ▼▲▼▲▼▲▼ |
 |
この「眠れる森の美女の城」、デザインはなんかイマイチ。はっきりいって「すごいっ!」と感心させられるものではない。
デザイン自体はヨーロッパぽくって悪くなのだが、建物が小さすぎて、我らがシンデレラ城に比べると非常に見劣りする。 |
 |
城のまわりには堀がめぐらされ、ヒマラヤ杉かコロラド杉かわからないが、ホワイト・リーフの杉の木が美しく配されている。 |
 |
城の中に入ると、地下に降りる階段があった。
「La Taniere du Daragon」という表札があって、なにがあるのかと期待に胸を膨らませて降りていく。「La
Taniere du Daragon」というのは、「ドラゴンの隠れ家」という意味だ。 |
 |
地下の泉には確かにドラゴンが隠れ棲んでいた。だが、青と赤の照明に照らされたドラゴンが機械仕掛けでわずかな動きを見せるだけという、拍子抜けするようなコーナーがあるだけ。
TDLの「シンデレラ城ミステリーツアー(2006年4月廃止)」に出てくるドラゴンの部分だけ持ってきたような感じで、他に何があるわけでもない、ちょっと妙な小コーナーだ。 |
▼▲▼▲▼▲▼ ビッグ・サンダー・マウンテンpart1 ▼▲▼▲▼▲▼ |
 |
フロンティア・ランドにやって来た。ビッグ・サンダー・マウンテンの岩山が見えてくる。
慣れないせいなのか、あるいは設計が悪いせいなのかわからないが、ファストパスを取る機械の場所がわかりづらくて、かなり迷ってしまった。
ビッグ・サンダー・マウンテンの入り口に立つキャストに英語で訊いてようやく発券機を見つけ、パスを2枚ゲットした。 |
 |
ファストパスを取って、次のアトラクションに向かう。だが、いくらマップを見ても方向がわからず、うろうろ。
「話を聞かない男、地図が読めない女」という本があるが、わたしってば本当に地図が読めない女だ。 |
▼▲▼▲▼▲▼ ファントム・マナー ▼▲▼▲▼▲▼ |
 |
入り口方向に少し戻って、ファントム・マナーというアトラクションにやってきた。
これは「ホーンテッド・マンション」のヨーロッパ版で、マナー(manor)とは邸宅という意味だ。
ファントムには幽霊というより「幻」という意味が強いため、「幽霊屋敷」よりは「幻の館」といった意味になるのかもしれない。 |
 |
階段を登って入り口へ。
TDLの「ホーンテッド・マンション」の周囲には墓石があったり、崩れかけた石垣が恐ろしげにディスプレイされていたり、そびえ建つ屋敷の窓や屋根などにゴースト屋敷らしい雰囲気が漂っていたりと、たいへん趣向を凝らしている。だが、こちらはとてもシンプル。
墓地もなければ、屋敷自体もいたって簡素だ。 |
 |
 |
 |
中にはすぐに入れた。
最初に円形の部屋に通され、やがて暗くなって部屋が動き、絵が伸びていく・・・といった導入部分はほとんど同じである。
ただし、額の中の絵は違っていた。
小部屋を出てライドに乗り、暗い屋敷内を移動していく。
ピアノ、水晶玉の中の魔女、ダンスホールなどのシーンもディテールは異なっているが、シチュエーションはほぼ共通している。
だが、「ホーンテッド・マンション」がアメリカのゴーストのおどろおどろしくも愉快な一面を表現しているのに対し、こちらは「呪われた花嫁の人生」がテーマ。そのため、全体的にもの悲しく、恐怖感が強い印象があった。
←花嫁衣装をまとった花嫁。老婆となってしまった容貌を鏡に写し、泣いているシーンが非常に印象的だった。
子ども向きというよりは、どちらかというとアダルトな雰囲気のアトラクションである。 |
 |
|
 |
パークを歩いていると、子どもたちがキャラクターにサインを求めるシーンによく出くわす。
みな同じサイン帳を持っているので、ショップで買ったサイン帳でないとサインをしてもらえないシステムであろう。
日本では、親たちがキャラクターと我が子との写真撮影に必死になるが、こちらではちょっと違うみたい。 |