カルーゼル凱旋門
 8本のバラ色の大理石で支えられた、華やかな凱旋門。
 ルーブル美術館の敷地にあるカルーゼル広場に建っている。シャルル・ド・ゴール・エトワール広場にある(大きい方の)凱旋門と区別するため、あちらをエトワール凱旋門と呼ぶこともある。
 1804年、ナポレオン・ボナパルトは皇帝の地位に就き、ここにフランス第一帝政時代が幕を開けた。
 翌年、イギリス、オーストリア、ロシアが第三次対仏大同盟を結成し、ナポレオンはこれに挑んだ。「ウルムの戦い」でオーストリア軍を破ってウィーンを陥落させ、「オステルリッツの戦い」でもロシア・オーストリア連合軍を破り、勝利を収めた。
 その一連の遠征における勝利を祝って、1806年から1808年にかけて建造された。
 壁面の彫刻はナポレオン軍の活躍する場面になっており、てっぺんに乗っているのは兵士の彫像。最初はイタリア遠征で略奪してきたものを飾っていたが、後に返却されたので、代わりの像が置かれたそうである。
 だが、ナポレオンはこの凱旋門の小ささに不満で、さらに大きな凱旋門の建設を命じた。それが、下のエトワール凱旋門である。
 ちなみにカルーゼル(Carrousel)は現在ではメリーゴーランドを表わす名称になっているが、元々の意味は「騎馬パレード」のこと。ディズニーランドやディズニーシーでもメリーゴランドとは言わず、「カルーセル」と呼んでいる。
エトワール凱旋門
 シャルル・ド・ゴール・エトワール広場の中心に立つ凱旋門。12本の大通りが交差し、道路がここから放射線状に延びているため、エトワール(星)と呼ばれている。
 凱旋門の周囲がロータリーのため、いつも車がグルグル回っている。
 1806年、フランス軍の栄光を讃えるために、ナポレオンの命で着工が始められた。
 古代ローマを思わせる巨大なアーチは、高さ49.54m、幅44.82m。
 7月王政時代のルイ・フィリップ王のもと、着工から30年後の1836年にようやく完成した。
 だが、ナポレオンは1821年に死去しており、生きて凱旋することはできなかった。
 1840年にセント・ヘレナ島から遺骸となってパリに帰還し、盛大な葬儀が催された際に初めて門をくぐったのである。
 壁面にはフランス軍の戦闘の様子を描いたレリーフが飾られ、中央には無名戦士の墓がある。
 シャンゼリゼ大通りから臨んだ凱旋門。
 いかにもパリらしい風景として、エッフェル塔に並んでテレビで紹介されることの多い名所である。
 シャンゼリゼ大通りは幅約100m、長さ2キロの大きな並木道である。もともとはアンリ4世の王妃マリー・ド・メディチのために造られた、チュイルリー宮殿からの遊歩道だった。
 その後、ル・ノートルがロータリーや並木を配し、1709年に現在のシャンゼリゼという名が付いた。「シャン」は野原、「エリゼ」はギリシア神話の楽園の意味。
 19世紀になると、ガス灯や歩道が整備され、賑わいをみせた。7月14日の革命記念日には行事の中心地となる。
ナポレオン・ボナパルト
1769年、コルシカ島に生まれる。貴族の資格を持つボナパルト家の8人いる兄弟の上から2番目。
 1779年にブリエンヌ陸軍幼年学校、1784年にはパリの陸軍士官学校に入学。1785年に砲兵士官に任官した。(16歳)
 1793年末、イギリス艦隊に占拠されたトゥーロン攻略作戦で功績を挙げ、少将・旅団長となる。(24歳)
 1795年、パリの王党派による蜂起(ヴァンデミエールの反乱)を鎮圧し、師団長となった。(26歳)
 1796年、マルセイユの裕福な商家であるクラリー家のデジレとの婚約を反故にし、貴族の未亡人で総裁政府の総裁バラスの愛人でもあったジョゼフィーヌ・ド・ボアルネと結婚。(27歳)
 同年にイタリア遠征の指揮官に任ぜられ、遠征は成功を収める。
 しかし、1798年のエジプト遠征ではイギリスに敗れた。エジプトで孤立したナポレオンは脱出し、ブリュメールのクーデタを起こして総裁政府を倒す。そして統領政府を樹立、自ら第一統領(第一執政)となり、実質的に独裁権を握った。(30歳)
 1804年8月、終身統領(終身執政)となり、独裁権をさらに強め、法制の整備にも力を尽くした。さらに12月2日、即位式を行い、皇帝の地位に就いた。フランス第一帝政の始まりである。
 失脚後の1821年、流刑先のセント・ヘレナ島で51歳の生涯を閉じた。死因は胃ガンとされるが、ヒ素中毒の疑いもある。



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