温泉が生まれた経緯
今まで見てきたような成分を含んだ温泉、酸性・アルカリ性に傾いた温泉などは、なぜ生まれたのでしょうか。それを説明する前に、温泉にも火山性と非火山性の二種類があることを知っておかなくてはなりません。


火山性温泉と非火山性温泉
温泉が生まれるには、熱、水、成分などの要素が複雑に絡み合っています。
 
1.熱源
温泉の熱源がマグマおよびマグマで熱せられた岩石によるマグマ熱源、自然地温の熱や地殻運動の熱、放射性元素の熱などで熱せられることを非マグマ熱源と言います。
 
2.水源
 循環水・・・天水と呼ばれる地表に降った雨、雪などの淡水、または海水が水源。昔の海水が地層に閉じ込められて湧出している温泉を化石海水と呼びます。
 マグマ水・・・プレート運動でマントル中に押し込まれた、かつての地表水。マグマが冷えて固結するときに岩石にとりこまれず、地下に溜まっていたもの。
3.成分源
 マグマ水成分・・・マグマ水に含まれる成分で、熱水溶液とも呼ばれます。ガス成分にも富み、非常に高い濃度の成分を含んでいます。
 岩石溶出成分・・・水に触れて溶け出した、岩石中の鉱物に含まれる成分。
 海水成分
 有機成分・・・炭酸水素など、生命活動によってつくられた成分。これらが組み合わさってさまざまなバリエーションの温泉が湧くわけですが、おおまかに分類すると以下のようになります。
 
 
火山性温泉
  熱源は主にマグマ熱、水源は主に循環水、岩石溶出成分にマグマ水成分が加わったもの。高温泉が多いことや、泉質の多様さが特徴。酸性泉や硫化水素泉のほとんどはこのタイプ。
 
 《非火山性温泉
  
海岸温泉−温泉水の主体が現海水、熱源はいろいろ。食塩泉がこれ。
 
  深層地下水型温泉−循環水が自然地温で暖められたものが多い。含有成分量が希薄な温泉が多く、日本の平野部の地下に広く分布。
 
  化石海水型温泉−古い海水が地下に封鎖されて温度上昇したもの。有機成分が多いのが特徴で、石油や天然ガスを含んで油田かん水になっていることもあります。
     マグマ熱が加わって高温になっていることもあります。関東平野や新潟平野によく出ます。東京都板橋区の「スパディオ」は昆布のようなちょっと生臭い匂いがするため、これにあたるのではないかと考えています。また、群馬県の渋川スカイテルメは灯油臭がしますので、やはりこれに当たるのではないかと思います。
 
  グリーンタフ型温泉−大昔の海底火山活動で岩石中に固定された海水成分が、現在の循環水に溶出してきたもの。硫酸塩泉や食塩泉が多く、日本海側によく出ます。火山性温泉の化石ともいえますが、非火山性温泉に含めるのが一般的です。伊豆半島の土肥温泉、熱海温泉などもこれにあたる。
 
 《特殊な温泉
  
活断層にともなう温泉。
  有馬型温泉と呼ばれる、非常に濃い食塩・純金属に富む、最も謎の多い温泉。
  放射能泉(西日本に多い)

今まで温泉に入るとき、どういった経緯でこの温泉ができたかなんて考えながら入ったこと、ないですよね。でも、これからそこまで思い巡らして入ってみたら、少しだけ古代のロマンを感じられるかも?
では、次のページでもうちょっと詳しい成分の解説をしていきましょう。