旅のプロローグ |
キャンプやオフ会の予定がない、今週末。
さあて、どうするか。軽井沢とか奥日光とか、例年必ず行く場所にプライベートキャンプで行こうか。あるいは、どこかの温泉地に行って、温泉三昧しようか。
聞けば、中1の息子は日曜日予定があるから家に残ると言う。娘の方は、温泉だけの場所でお友だちも来ないのなら、やはり残ると言う。
そうか、夫婦二人だけか。となると・・・。
わたしは、宿を取って湯治三昧する構想を練り始めた。となると、志賀高原の熊の湯ホテル、ここしかない。前々から、ここに泊まってみたかったのだ。
さっそく「旅の窓口」
というサイトにアクセスしてみた。数年前、大阪のホテルを取るときに活躍した予約サイトである。ところが久しぶりにアクセスしてみて、びっくり。「旅の窓口」は「楽天トラベル」
と合併していた。でも、機能は以前とまったく同じで、「源泉掛け流しの宿」というテーマのカテゴリーもあって非常に充実している。
「源泉掛け流しの宿」の中に「熊の湯ホテル」はなかったが、「全国温泉宿」の中に入っている。そこで、「大人2名」で土曜日の夜の予約を入れた。宿泊代金は2万円は越えてしまったが、まあいいだろう。ホテルとしては比較的安い方だ。
問題は、金曜日の夜。別に宿を取るか、土曜日に家を出発して「熊の湯ホテル」に直接向かうか。わたしは迷わず、前者を選択した。むろん、どこかに泊まるのだ!
そこで次は「トクー!トラベル
」という予約サイトにアクセスしてみた。ここは掲示板友だちのよしかさんに教えてもらった、驚きの低価格サイトなのだ。なにが凄いって、タイトルに「最大96%オフの宿」と付いているところ。「えー、まさか?」と思ってしまうが、確かに安い。
このサイトで検索して、戸倉上山田温泉の格安宿を探してみる。
なぜ、戸倉上山田温泉にしたかったかというと、3年前にすぐ近くの緑地でP泊したことがあった。
(そのときのキャンプ日記はこちら→「平成14年キャンプ日記その9」へ)
で、そのとき利用した湯の花銭湯「瑞祥」や「万葉温泉」の泉質がとても良かったため、また一泊したかったのである。でも、その緑地、以前牽いていた「ポルト7」という小さなトレーラーだから入れたようなもの。大きなトレーラーに乗り換えた今では絶対に無理。そこで宿に泊まりたいと思ったわけなのだ。奥信濃への足がかりとしても、戸倉上山田の地はちょうどよいポイントに位置している。
検索の結果、温泉付きのいい宿が見つかった。「ホテル高美 」は「素泊まり1,995円から」、「みやこ屋」は「素泊まり
1,228円から」。信じられないくらい安い。それでも、温泉のあるれっきとした旅館である。素泊まりなんて、普通は価格表に載ってもいないはず。ホントに素泊まりしていいの? なんて、思わず我が目を疑ってしまったくらいだ。
宿が作っている公式HPの方で確認してみると、やっぱり「素泊まり価格」はない。しかも夕食が付いているから当然だが、「トクー!」の方とは数字の桁が1コ違う。ここは素泊まりして、夜の温泉街に繰り出して飲もう。その方がずっと楽しいに違いない。わたしはそう思い、申し込みフォームに必要事項を記入した。
でも、いくら素泊まりが安いからって、やっぱり朝ご飯はなくっちゃね。と思い、朝ご飯二人前は付け、予約ボタンをぽちっと押す。数時間後メールが届いて、「みやこ屋」旅館に予約完了。1,228円の部屋は取れなかったが、それでも二人で約6,700円也。
あまりの安さにほくほくしながら、荷支度も完了。お祖母ちゃんちに娘のお泊まりグッズを持っていき、これで準備万端だあ。と思っていたら、なんと娘が「やっぱり行く」と言い出した。が〜ん。
行くというのを振り捨てて行くわけにもいかず、しぶしぶお泊まりグッズをパパのボストンバッグに押し込んだ。
というわけで、前振りが長くなってしまったが、戸倉上山田温泉から志賀高原・熊の湯への温泉旅がここから始まったのだった。 |
平成17年6月17日 戸倉上山田温泉 「みやこ屋」 Mapfan |
夕方、家を出発し、長野へと向かう。車の中で「みやこ屋」さんに電話を入れ、「子ども1名加えてください」と頼むと、快く受けて下さった。
「トクー!」ではチェックイン時間も自由に選べたので、わたしは夜の8時半を選択していた。関越道、上信越道をガンガン走り、順調に目的地に近づいていく。

上信越道の坂城インターを降り、戸倉上山田温泉に到着。宿の前に着いたのは8時半ちょっと過ぎ。ロビーの照明は落とされ、人気がない。入っていくと、当直らしいおじさんが奥から出てきて、笑顔で出迎えてくれた。非常に安い宿泊料金から想像していたのよりは、ずっとよい雰囲気のロビーだ。立派な鎧兜も飾られており、由緒ありげ。もしかしたら、このあたりの領主だった武田家や真田家の武将のものかしら?
鎧の由来については聞きそびれたが、おじさんの説明では「戸倉上山田温泉が始まった明治36年にできた宿なので、ここも築100年なんです」とのことだった。
おじさんの案内で部屋に上がる。本館からつなぎ足したような構造で、奥の方は鉄筋3階建てになっている。ここはまさか築100年ではないだろうけれども、エレベータがない。わたしたちの部屋は3階にあったので、登り降りがちょっと面倒である。
階段を上がるとすぐに ドアがあるような、狭い造り。ドアも安っぽいものだが、12畳の部屋は広くて立派だ。宿のHPによると民芸調の部屋ということで、床の間があり、障子の向こうには椅子とテーブルがあり、トイレ・洗面所も付いている。温泉があるからバス・トイレなしの部屋を選んだのだが、トイレがあるのには驚いた。
部屋にはすでに3人分の布団が敷かれていた。床の間には戦国武将の絵が掛かっている。この信濃の国を支配した武田信玄にちなみ、廊下に信玄公の絵が掲げられていたり、女湯には「湖衣姫の湯」とゆかりの名がついている。湖衣姫(こいひめ)とは諏訪頼重の娘で、武田氏の人質となり、のち信玄の側室となって勝頼を生んだ諏訪御料人の小説での呼び名である。
とにかく全館信玄づくしで、ぼろっちいけれどなかなか格調のある旅館だった。 |
戸倉上山田温泉 おしぼりうどん「古波久」 |
なにはともあれ温泉に入りたかったが、娘が空腹を訴えたので、すぐに外食に出ることになった。
このあたりの名物に、「おしぼりうどん」という珍しいうどんがある。手や顔を拭く、あのオシボリではない。大根の搾り汁に付けて食べるうどんだから、「おしぼりうどん」という。
戸倉上山田温泉公式HPを眺めていてそういうのがあると知り、良さそうな店をピックアップしておいた。すると、フロントのおじさんが美味しいと太鼓判を押した「古波久」(こはく)という店がぴったりと一致。おじさんがくれた地図を手に、わたしたちは街に出た。
「みやこ屋」は温泉街の外れの方に位置しているが、5、6分も歩けば賑やかな飲食店街に辿り着く。
ちなみに、ひとくくりに戸倉上山田温泉と言っているこの街、実は戸倉町と上山田町とに分かれている。それぞれに豊富な温泉が湧出しており、ひとまとめに戸倉上山田温泉と称しているのだ。「みやこ屋」さんは千曲市戸倉温泉にあるが、これから向かう「古波久」の住所は上山田温泉である。
この飲食店街、なにやら色街めいた雰囲気が漂う。スナックやクラブの前には派手なミニスカートのお姉さんが客引きのため立っている。なんだかカップルや親子連れでそぞろ歩くには似つかわしくないムードだなぁ。と、そう思っていたら、地元住民と警官によるパトロール部隊とすれ違った。うん、これなら治安に問題なさそう。上山田温泉の皆さん、パトロールご苦労様です。 |
さて、「古波久」に到着した。
周囲の雰囲気とは一線を画した、隠れ家的なよい感じの店構えだ。一目見るなり「お、ここなら」と気に入ってしまった。
中はほどほどの規模で、テーブル席と、奥に座敷席がある。座敷には囲炉裏を囲む席もあり、人数の多いグループにも対応できる。
わたしたちは座敷に上がってテーブルに着き、まずはビールとおしぼりうどんを注文した。釜揚げと冷やしざるがあるというので、それぞれを1コずつ。搾り汁は辛口とやや辛のもの、それと娘のために普通のしょう油のつけ汁とを頼んだ。
まずはビールで乾杯。おつまみに頼んだ薩摩揚げがとてもおいしく、ビールがほいほい進む。肝心のうどんはなかなか出てこない。客は他に2組いる程度なのに、ずいぶん手間を掛けているんだなあ・・・と、のんびり待つことにした。その間にビールを飲み干したパパは、地酒の一番高いのを注文していた。わたしも一口飲んだが、とてもまろやかで美味しいお酒だった(でも、日本酒は苦手でカラダが受け付けないから、美味しくても飲まないのだ)。 |
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20分ほど待っただろうか。まず搾り汁が運ばれてきた。これは地元信州のとても辛い「ねずみ大根」を搾ったものだそうだ。これだけすすっても非常に辛くて美味しくない。ここに味噌や刻みネギ、鰹節などを混ぜてうどんをいただく。400年以上昔から伝わる、伝統の食文化である。
お待ちかねのうどんが運ばれてきた。ざるは少し細めの麺で、夏場向きだ。
大根汁にちょっと付けて食べたら、とっても辛い。わたしのはちょっと辛い汁だが、パパは一番辛いのを頼んでいたので、涙を流さんばかりの辛さだった。
そこで味噌を混ぜて食べると、味がとてもまろやかになる。汁の辛みと味噌の甘みが妙にマッチして、とても美味しい。これはイケルと、あっという間にざるを平らげてしまった。
次の釜揚げうどんは麺が太めで、付け汁がよく絡むため、さらに美味しく感じる。味噌煮込みうどんにおろし大根を多めに入れちゃった、というような味わいだ。
面白いことに、この大根汁にしょう油を入れると、かえって辛みが増すのだそうだ。原因はよくわからないが、化学反応のようなものらしい。
他の店でおしぼりうどんを食べていないので、「ここが一番おいしい」とは確信を持って断定はできない。が、うどんもお店もとても気に入り、また来たいねと主人と意見が一致した。
「名物に旨いものなし」などと言われることもあるが、こういう地元の名物料理に舌鼓をうつのは旅行の醍醐味というものだろう。 |
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■食事の後は、宿に戻って楽しみにしていた温泉へ。温泉のレポはこちら→ |
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