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 平成20年キャンプ
 
平成20年8月19日(火)〜
* 夏 休 み 東 北 キ ャ ラ バ ン Par5 *
 
 後生掛温泉、ふけの湯と八幡平温泉郷を2つ入ったわたしたちは、下山に向けてトレーラーを走らせた。
 八幡平市へと向かって下っていくアスピーテラインはただならぬ霧が立ちこめ、視界不良。フォグランプを灯けておっかなビックリ走る。
 ようやく下界に辿りついた。たまたま通りがかったスーパーで今夜の食材を購入し、次なる目的地に向かって東北自動車道に乗る。

 ぐっと南下して、宮城県大崎市というところにある「ひまわり温泉 花おりの湯」にやってきた。
 お手軽な日帰りスーパー銭湯系ながらも源泉掛け流しを謳い文句にしており、ガイド本に載っているお湯は茶褐色。これはわたしの大好きな泡々ヌルヌル系ではないかと期待して立ち寄ったものだ。
 それに犬専用のワンワン温泉なるものも併設しており、ここでレディを温泉に入れてあげるべ! と張りきっていたのだが、時間の関係で断念となった。
 温泉の方は、しかし期待したほどのものではなかった。金気臭がする他は特筆すべきものも見あたらず、ただ茶色っぽいというだけ。
 1,500リットルという豊富な湯量を誇るため加水はしていない。なのに、この浴感のなさはどうしたことか。てっきりヌルヌルするかと思ったのに、素っ気ないほど普通の肌触りなのだ。
 昨日から玉川温泉、後生掛温泉、ふけの湯と強力な酸性の温泉に入り続けたため肌の古い角質層がすっかり溶け落ちて、ヌルヌルしなくなってしまったのだろうか。
 おまけに温泉夕方の5時という時間帯もあって、浴室は大混雑。ちびっ子は走りまわるわ、大泣きするわと落ち着かない。
 おまけに東北特有の熱く湧かしすぎの湯にも参ってしまった。37.1度の源泉を、どうしてここまで熱くするのかな。
 東北をまわって、元から熱い温泉もたくさん入ったけど、沸かしだけどいい湯にも巡り会えた。しかし、42度を超える加熱には疑問が残る。いくら冬が寒いからって、こうまで熱くすることはないと思う。
 少し浸かっただけで、「ひまわり温泉」を早々に退散。
 問題は、この後だった。大の地ビール好きのわたしたちは、次に地ビールレストランのある温泉に向かった。「ひまわり温泉」からさらに松島寄りに下ったところにある「夢実の国」という温泉だ。
 広い露天風呂に掛け流しの浴槽があって、レストランでは隣接するブルワリーで作られた松島ビールが味わえるという。まさしく東北めぐりを締めくくるのには、大変ふさわしい場所に思えた。
 しかし・・・。
 行ってみると、温泉もレストランも休みであった。
 温泉ガイド本をもう一度よく見てみれば、なんと「第3木曜日は休み」と書いてある。携帯でカレンダーを確認すると、今日は8月21日で、まさにその第3木曜日に該当しているのであった。
 はるばる東京から来たっていうのに、月に一度の定休日に当たってしまうとは・・・。がっかりするやら、自分のうかつさに腹が立つやら。
 溜息をつきつつ、トレーラーをUターンさせる。駐車場の大きさもほどほどあり、あわよくばここでP泊をと思っていたのだが、これで予定が狂ってしまったよ。
      
 結局、東北最後のP泊地と定めたのは24時間営業の「割烹温泉 三本木の湯」だった。
 「荒狗路」というお食事処が内部にあって、どうやら割烹とはそれを指すものらしい。和食、回転寿司、焼き肉と、なんでもありだ。
 ゲームセンターと軒を並べており、駐車場はとても広い。温泉自体が24時間営業なので、堂々と泊まれそう。
 温泉ガイド本によるとここは掛け流しではないが、循環でも湯づかいのよい温泉ということも充分に考えられる。
 なにより食いしん坊のわたしを惹きつけたのは、看板の「仙台和牛」と「毛がに」の文字であった。
 「POWER CENTER」というネオンの下に寿司屋を思わせる札がずらりとかかっており、仙台和牛とかたらばがに、毛がになどと旨そうなメニューが書かれているのだ。
 それと割烹という名称が決定打となって、わたしたちは1,680円という高額な入浴料を支払った。
 館内はたいそう広い。フロントのお姉さんはちょっと無愛想。料金高いのにー。
 タオルと館内着の入ったビニールバッグをもらい、マッサージの予約を取ってから「荒狗路」に向かう。
 「荒狗路」の内部も広くて、和食コーナー、焼き肉コーナー、回転寿司コーナーと席が分かれていた。そのため和食を選んでしまうと焼き肉や回転寿司が食べられないのが、ちょっと難点である。
 わたしたちは和食を選んだので、ファミリーレストランのような感じのボックス席に案内された。
 店内はまったく分煙されておらず、近くの席からタバコの煙がぶんぶん漂ってくる。
 店の雰囲気はとうてい割烹とは言いがたいもので、地方でよく見られる食べ放題レストランみたいな雰囲気だ。分煙されていないというのも、いかにもって感じ。
 わたしは沸き上がる嫌な予感を抑えつつ、メニューに目を落とした。しかし、仙台和牛と毛ガニはどこにも載ってない。
 店員さんを呼んでこの点を訊くと、「ありません」という返事だった。
 「でも、外の看板にはありましたけど?」と言うと、「えっと・・・前はあったんですが、今はちょっと扱ってないんですぅ・・・」
 「看板に書いてあるのにメニューにないというのは、ちょっと問題じゃないですか?」
 と、さらに食い下がると、やはり「前は扱ってたんですが・・・」という答えしか返ってこない。
 前は置いてあっても現在は扱っていないなら、その看板を撤去するのがスジってもんじゃないだろうか。
 いや、ないならないで、しょうがない。別に今すぐ仙台和牛と毛ガニを持ってこいというわけじゃない。土下座して謝れとか責任者呼んでこいとか、料金チャラにしろとかも言うつもりはない。
 しかし、こちらは表の看板を見て入ってきたのだ。高い入館料を支払って。なのに、ありませんとただの一言で終わらされては納得いかないではないか。それなりの言葉で対応してもらえれば、ああそうなの、今はないのね。と気持ちよく引き下がれるというのに。
 だが、店員は付け焼き刃のバイトらしく、それ以上の応対はまったく期待できなかった。
 このお肉はどこ産?と訊いても、答えられない。基本的な商品知識も与えられていないのである。
 しょうがないのでサラダやタラバ蟹、冷麺(和食じゃないけど)などを注文し、最後にデザートを食べてお風呂に行くことにした。
 茹でタラバは硬く、汁っけが乏しくておいしくない。冷麺はまあまあだった。
 それにしても圧倒的に人手不足らしく、ベルを鳴らしてもなかなか店員が来ないこともしばしばあった。あとから背中合わせの席に着いた家族連れなどは「注文したものがなかなか来ない!」と、怒りながら帰っていった。
 もう目の前に注文したデザートが来ていたのだが、「もういらん!」と、相当怒っていた。それについても店員はまごまごオロオロするばかりだ。
 料理の味についての感想は、「割烹」という名前が裸足で逃げだすんじゃないかと思うようなものだった。だが、そう感じたのも店員の対応のまずさによるところが大きなウエイトを占めると思う。
 あのメニューの一件がなければ、気持ちよく「ごちそうさま」と言えただろう。
 と言って、ここで責任者を呼び出してクレームをつけても後味が悪くなるばかりなので、わたしたちは黙って温泉に入り、マッサージを受けた。
 だが、気になったので、家に戻ってから本社にメールで問い合わせたら、今年の2月に経営母体が変わって、看板がそのままになっていたという返信をいただいた。さっそくに看板を撤去し、分煙もいたしますとの返答だった。

 「三本木の湯」は前述の「ひまわり温泉 花おりの湯」と地理的に近いだけに、似たような泉質と色合いの温泉だった。
 だが、こちらは残念なことに循環。源泉の特徴をわずかに残した濁り湯ではあるものの、匂いや浴感などは皆無であった。
 毎分340リットル湧出しているとのことなので、せめて小さい浴槽だけでも掛け流しにしてくれないものかと思う。
 お湯はさておき、設備的にはジャグジー、露天風呂、サウナ、マッサージと色々充実しており、それなりに価格に見合った内容ではあると思われる。
 →翌朝の駐車場。一晩中車の出入りがあるので静かとは言えないが、安心して休めるという点ではありがたいスポットではある。
 これが問題の看板をズームしたもの。こんな風に「仙台和牛」なんて書かれたら、東京から来た人間はふらふらと入っちゃうよね。
 地元の人間は仙台牛なんて珍しくもないので、これまで問題にもならなかったに違いない。でも、こういうのって景品法に引っかかるんじゃないかなと思う。
 まあ、これは撤去したとのことだが、今後は味の充実と店員教育をしっかりとしてもらいたいものだ。
 
 三本木温泉がスカに終わったので、このままだと未練が残る。東北秘湯めぐりの締めだけは、最上級の温泉にしたい。
 そう思って、予定になかった「不動温泉ホテルまるなか」に立ち寄ることにした。
 ここは須賀川インターと矢吹の中間、鏡石パーキングエリアの近くにある元ホテルの日帰り温泉だ。もうだいぶ前、「白川の関」のオフ会に参加したとき、温泉の師・益子さんに連れてきてもらった所である。
 泡が付いてヌルヌルで、滑って転ぶくらい本当にヌルヌルの最高品質。ぜひもう一度入りたいと思いつつ、なかなか再訪できないまま今日まで来てしまった。
 だが、今日こそ立ち寄ろう。そう決心して鏡石パーキングエリアにトレーラーを停める。そして、独りでPAを出て、歩いて「不動温泉」に向かった。
 PAと道路を隔てるものは自転車止めの柵のみで、あっけないほど外に出られた。
 「不動温泉」への距離を地図で測ると、ほんの数百メートルほど。東北道からほんの2ブロックか3ブロックしか離れておらず、本当に近い。
 自転車で来れば良かったかなとは思ったが、キャリアから降ろしている間に着いてしまうくらい近かった。
 ゆるやかな坂を200メートルほど登っていくと、隣りに温泉やぐらを従えた「不動温泉」に行き着いた。
 が、なにか様子が変だ。近づいてみると、薄暗い玄関のガラスに「8月15日をもって廃業します」という張り紙が。
 これには足の力が抜けるほど落胆した。
 来たい来たいと思いながらようやく念願叶ったというのに、その1週間前に終焉を告げていたとは。
 とってもいいお湯だったのに、このまま廃業とはもったいない。非常に残念だ。
 スーパー銭湯でも健康ランドでもなんでもいいから、ぜひどこかの企業が買い取って再開してもらいたいと切に願う。
  
 「不動温泉」で締めの湯に浸かれば、もう言うことなしの締めくくりだった。が、残念ながら廃業されたあとでは、どうしようもない。
 福島県も南部まで下ってきてしまうと、東北自動車道近くでよい温泉となると、ほとんどなくなる。どうしようかと考えながら走っているうちに、とうとう栃木県に入ってしまった。
 東北秘湯めぐりの締めの湯が栃木じゃ話にならないが、昼ご飯もまだなので、那須あたりでどこかに立ち寄ろうということになった。 
 向かったのは、「お菓子の城 那須ハートランド」というところ。
 ここは他に「お花の城」「いちごの森」「源泉・那須山」の施設が併設され、ケーキの販売の他、パティシエ体験などもできる。女の子を持つ母親としては、一度母娘で訪れてみたいところだ。
 
←お菓子の城前の駐車場。観光バスがやってきているが、こちらは狭い。
 わたしが入ったのは、「那須山」という温泉施設。お菓子の城の斜め後ろに建つ。
 こちら側の駐車場はたいへん広いので、我が家のロングサイズ・トレーラーでも楽々駐車できた。
 以前からここのサイトを見ており、行きたいと思っていた温泉だった。
 入口の傍らにある立て看板には、「当温泉は湧出量が毎分156リットル、高温のお湯を水で薄めず熱交換システムにより温度を下げて使用している」というようなことが書かれてある。
 内湯の浴槽はたいへん広い。しかし、湯は無色透明で温泉らしい匂いもほとんど感じられない。
 以前に「那須山」のwebサイトを見た限りでは、ここのお湯は茶色いと思っていた。どうやら木の浴槽のせいでそう見えたらしい。
 だが、このwebサイトはわざと茶色っぽく見える画像を載せていたのではないだろうか、という気がしてならない。
 現在は違う画像に差し替えられていて、色は茶色とも透明とも判別しがたい。
 以前は確かにはっきり茶色いお湯と錯覚する画像だったのである。だが、女性が2人浸かっている画像は、本当に茶色い湯のように見える。
 あえて誤解させるような画像を使用する姿勢には、大いに疑問を感じる。しかも、全浴槽が源泉掛け流しであるかのような印象を強く与えながら、事実は違っていた。
 内湯のメイン浴槽のみ掛け流しで、あとの小浴槽、露天風呂は塩素臭のする循環だった。
 それでメイン浴槽のお湯が良ければ、まだまだ救われたはずである。別に茶色じゃなくたって、温泉らしさを味わえればそれで良かった。
 しかし、「これ本当に温泉?」と訊きたくなるほど無味無臭。ナトリウム-塩化物温泉だというのに、わずかな塩分すらも感知しないのだ。肌触りにも特筆するものなしとあっては、もう溜息しか出てこない。
 水道水の沸かし湯と大差ないと書いたら、批判しすぎだろうか。
 これまで色々な温泉に入ってきて事前に公式サイトで確認したりもしているが、こうまで印象を違えた温泉も珍しい。
 1,000円という安くもない料金を支払って入ったが、わたしは30分もしないうちに「那須山」を後にしていた。
 
 わたしが独りで「那須山」に入っていた頃、夫はサッポロビールの那須工場「森のビール園」にやってきていた。
 「お菓子の城」から徒歩で10分足らずの所にある。桁違いに広い敷地を誇り、大型バスレーンもこんなに広い。わーお、ここでビール飲み放題キャンプ会を開きたいぞ!
 とにかく広いので、歩いても歩いてもビール園の建物が近づいてこなくて、ホント嫌になってしまった。
 てくてく歩いてようやく正面玄関に近づくと、夫が仕事の電話をしながらわたしを待っていた。
 どうしたのと訊くと、ランチバイキングで時間制限があるから待っていたと言う。
 ビール園内のレストランは、千人の客が座れるという大規模なものだった。焼き肉のバイキングもあったが、わたしたちは普通のブュッフェを選んだ。
 食べ物は食べ放題だが、ビールの方はひとつひとつお金を払って注文するシステム。そこが御殿場高原ビールとは違う点で、料理の数もあちらよりはるかに少ない。
 が、わたしの大好きなあんかけ焼きそばがあったから許しちゃおう。
 
 ビールは種類豊富で大変おいしい。まずは標準的にピルスナーから。これは世界中で最も多く造られているビールだという。
 次に注文した「飲み比べセット」。左からプレミアム・ピルスナー、プレミアム・ドゥンケル、プレミアム・ヴァイツェン。
 とてもおもしろかったのが、このチョコレート・フォンデュの機械だ。
 段々重ねになったプレートのてっぺんから液状のチョコが流れ落ちているのだ。
 まさにチョコレートの噴水! 正式にはチョコレート・フォンデュ・ファウンテンというのだとか。
 「ファウンテン」は英語で噴水。フランス語だと「フォンテーヌ」である。
 串に刺したシューやマシュマロをこの噴水に入れるのは、とっても楽しい作業だ。
 チョコを絡めたシューとマシュマロ。このフォンデュが楽しくて、ついつい食べ過ぎてしまった。
 この機械、ぜひほしいんだけど。
 
 さて、締めが栃木になってしまってちょっと不本意だったけど、おいしいビールがたくさん飲めたので、よしとするかな。
 来年はもっと計画的に失敗のないように東北秘湯めぐりに再々チャレンジしようと思っている。
チョコレート・フォンデュ・ファウンテン欲しいなあと思って調べたら、小さいので1万円ちょっと、ビール園と同じサイズで2万1千円だった。
衝動買いするには少々値段が張るが、こんなお手軽商品もあるのには笑ってしまった。タカラトミーから販売されてます。
皆さんもキャンプ会にいかがでしょうか。
 
サッポロビール那須工場 森のビール園
■栃木県那須郡那須町高久甲4453-49 / TEL 0120-742-150
■営業時間 ◎ランチビュッフェバイキング 1,980円 / 11:00〜16:00
        ◎ディナービュッフェバイキング 2,380円 / 17:00〜21:00
■公式サイト http://www.nasu-morinobeer.jp/index.html
  
ひまわり温泉 花おりの湯   三本木の湯
 源泉・那須山(栃木県)
 
不動温泉ホテルまるなか(2008年8月廃業。今回入浴できず)
  
 

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