最初の夜は、ヨットハーバーとグラウンドのある駐車場に停泊した。広いし、近くに上諏訪温泉、下諏訪温泉などあって実に申し分ないP泊適地・・・と思って就寝したのだが、若者が明け方近くまで音楽を鳴らして騒ぎとおし、安眠できなかった。
おまけに翌朝、野球のユニフォームを着た初老の男性にノックされ、そこのグラウンドで野球大会があり、さらにヨットレースも開催されるため、移動してもらえないかと言われてしまった。
穏やかな物腰の紳士で、わたしたちが出られなくなってしまうことを心配しているようだった。 |
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P泊に適した駐車場についても色々と親切に教えてくれたので、おとなしく撤退することにした。
しかし、今にして思えば「出ていけ」とは随分と勝手な申し入れではないかと、若干の怒りがこみあてくる。わたしたちがいると、一体どんな不都合があるというのだろうか。 |
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ここがグラウンド。野球チームのメンバーが集まり、試合が始まろうというところ。
左の方にある棒が何本か突き出た場所がヨットハーバーになる。
移動は面倒だったが、湖に面していないので雰囲気もそんなによくないし、なにより安眠できないので、さほど未練はなかった。当時は、であるが。
とりあえず「片倉館」の温泉に入ろうと移動。 同じ湖岸通り沿いにあり、千人風呂で有名な温泉と美術館が併設されている。 |
温泉はAM10時からで、まだ30分以上ある。どこが温泉の建物なのか下見がてら、覗きに行ってみる。
従業員さんに一日停めていいかと尋ねてみると、2千円で OKとのこと。そこで日曜日のお昼くらいまで停泊させてもらうことになった。許可票をトレーラーに張って、これでおおっぴらに駐車できる。心安らかに寝られるなら、多少の出費は問題ではないというものだ。
ちなみに片倉館は諏訪市の文化財指定で、財団法人が運営している洋館建築群である。製糸産業で財を成した片倉兼太郎という奇特なお金持ちが、地域住民の福利厚生のために昭和初期に建てた洋館がそのまま保存されている。片倉財閥の二代目であった。 |
兼太郎氏は欧米各地を視察旅行し、ヨーロッパ各国の農村に充実した厚生施設が整っている事に強い感銘を覚えたのだそうだ。帰国後、さっそく一族と相談して地元のための福祉や娯楽施設を建設したとか。
ところで温泉の受付の女性はなかなか面白くて、入浴後、わたしとパパが「千人風呂って、本当に千人入れるのかな?」と立ち話をしてると、「千人というのは例えですよ」と笑い、自ら「時々お客さんに”千人風呂と聞いてきたのにロッカーは千個ないじゃないか”と言われます。そんな細かいこと言われても困るんですよね〜」と話してくれた。P泊を了承してくれたおじさんといい、自治体の従業員とは違う柔軟性とユーモアを感じさせる。
ところで諏訪湖畔はなかなかの都会。ファーストフードからレストラン、ホテル、スーパーまでズラリと並び、なに不自由なく過ごせる。片倉館に入浴後、美術館や諏訪大社を見学したり、周辺の温泉に行ったり、遊覧船に乗ったりして過ごした。夜は湖岸通りを走る車の音は気になるものの、夜通し騒ぐ若者に悩まされることもなく、ぐっすり安眠できた。
諏訪大社の神にまつわる故事もなかなか興味深く、諏訪湖の凍結した氷が裂けて盛り上がる「御神渡(おみわたり)」(神様が奥さんに逢いに馬を走らせた跡だそうだ)という現象は一度見てみたい。また、夏は毎年8月15日の花火大会が有名ということなので、それも楽しそう。また何度か訪れたい場所だ。 |